キリスト教はローマ帝国に迫害されたか(1)

2020.09.25

開発秘話

キリスト教はローマ帝国に迫害されたか(1)

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/キリスト教はローマ帝国の皇帝崇拝と多神教を拒否して迫害された、と答えることになっている。しかし、迫害ばかりされていたら、大帝国を乗っ取るほど教勢が伸びるわけがあるまい。/

イエス生誕から百年を目前に、この突然の暴政は終末論を再燃させました。離島での幽囚の間に、使徒ヨハネは、この世の最後を預言する『黙示録』を記したとされます。また、このようなこの世の終わりとの恐れから、すでに世を去った母マリアが、同地の地母神アルテミスの属性を取り込み、イエスへの執り成しを祈る崇敬の対象となっていきます。

では、前半のまとめです。ローマは、建設・娯楽・軍隊で慢性的な財政危機。そこで、ローマの穀倉、アレキサンドリアを抑えるユダヤ人を排除し、対立が激化。陰謀が渦巻き、心の美徳と手の汚れの欺瞞に、罪を問うキリスト教が浸透。そんな中、ローマ大火でキリスト教の迫害が起こり、ユダヤ戦争でイェルサレムを破壊。フラウィウス朝は、反乱テロを起こすユダヤ人だけでなく、哲学も追放。ユダヤ嫌悪のグノースティシズムが流行し、キリスト教では終末論が再燃。前半はこんなところかな。


(2)に続く

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。