これまで数々のピンチのときに、漫画の力に助けられたと語り、現在、日本のポップカルチャー・コンテンツを世界に広げるべく活躍中の保手濱彰人さん。著書『武器としての漫画思考』(PHP研究所)がベストセラーとなり、今後は漫画を活用した、人財育成にも注力すると語る保手濱彰人さんにお話しを伺いました。 聞き手:猪口真
これまで数々のピンチのときに、漫画の力に助けられたと語り、現在、日本のポップカルチャー・コンテンツを世界に広げるべく活躍中の保手濱彰人さん。著書『武器としての漫画思考』(PHP研究所)がベストセラーとなり、今後は漫画を活用した、人財育成にも注力すると語る保手濱彰人さんにお話しを伺いました。 聞き手:猪口真
保手濱 彰人様
株式会社ファンダム!代表取締役会長
株式会社マンガ・ドライブ 相談役顧問
猪口 今回ローンチされた研修プログラムは、文字で書かれた理屈ではなく漫画から学ぶという斬新なものですが、直感的というか、感覚的に理解するということが重要になっていると考えてもいいですか。
保手濱 漫画は対人関係や人間心理を最も深く学べるメディアです。活字は論理や構造を理解するのに優れていますが、情緒的な情報や感覚はどうしても削ぎ落とされてしまいます。漫画は、表情、カメラアングル、オノマトペ、モノローグによって対人関係の深みまで描き出します。現実では相手の頭の上にモノローグが浮かぶことはありませんが、漫画は現実の対話以上の情報量で、人間心理を可視化してくれます。
漫画によって対人関係や人間心理の読み方を身につけたことで、僕自身は手足を動かすことが苦手でも、多くの人に支えられてビジネスを上手く回せるようになっていきました。
例えば、対人関係や人間心理の理解、共感能力が高くなくても、情報処理能力が高ければ大学受験ならこなせます。しかし、仕事になるとまったく違うわけです。社会に出た後のほぼすべては、対人関係で成り立っていて、8割がコミュニケーションだと言ってもいい。けっきょくすべては、最終的に人間に関することにつながります。だからこそ、人の情緒や感情を理解する力、共感能力を磨いていかないとなりません。この人間に関するあらゆる悩みの、解決を漫画が示してくれるのです。
猪口 先ほどおっしゃっていた『ONE PIECE』(尾田栄一郎・集英社)の1シーン、言葉だけで説明しようとしたら大変ですよね。

保手濱 たぶん、その場ではできないでしょうね。今回このプログラムをつくる中で改めて思いました。このシーンとページを表すものは、ほかに説明のしようがない。表層の言葉でなぞって理屈で説明しても、10%も伝わらない。とにかく、これを見るのが一番なわけです。それくらい、日本の優れた漫画家たちは、感情や感覚を凝縮した表現をつくってくれています。だからこそ我々がキュレーションする価値が、非常に高いのだと思っています。
インサイトナウ編集長対談
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