【インサイトナウ編集長対談】「受容、共感、ねぎらい」を3本柱に、子育てお母さんが元気になる社会に!

2024.11.19

経営・マネジメント

【インサイトナウ編集長対談】「受容、共感、ねぎらい」を3本柱に、子育てお母さんが元気になる社会に!

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

孤独になりがちな子育てお母さんの見方として、活動を続けられている、日本子育てアドバイザー協会の小谷野さんに、お母さんたちを助けたいという想いをお聞きしました。(聞き手:猪口真)

お相手:小谷野公代様
NPO法人 日本子育てアドバイザー協会
https://kosodate.gr.jp/

お母さんの話を聞いてあげる

猪口 子育てアドバイザー協会の設立の経緯を教えていただけますか。

小谷野 1998年に任意団体「子育てアドバイザーネットワーク」としてスタートし、2002年に法人格を取得しました。4人で立ち上げた任意団体で、私はその1人でした。私自身は1982年からベビーシッター会社を経営しています。ベビーシッターは家庭に入ってお子様をお預かりする、とても信頼される仕事です。時代とともに、お母さんたちの不安感ややるせなさ、孤独感が強くなってきました。今でこそ子育ては大変だと言われていますが、当時は違って、上手くやって当たり前だと考えられていました。ですから、ベビーシッターさんに子育ての相談をするということは、シッターさんにとっては思いもよらなかったわけです。お母さんたちの気持ちを受け止めて、ただ聞いているだけでいいのか、それとも「こうしたほうがいいですよ、こうしましょうね」と言ったほうがいいのか、シッターさんたちは本当に困っていました。仕事が終わって帰るシッターさんを呼び止めて、1時間も2時間も話を聞くことになってしまう。そのような相談が、苦情のようにシッターさんからきていました。

当時、ベビーシッターという名前も知られてなく、その役割も何をしてくれる人なのかわからない時代でした。そこでベビーシッターの信頼を得るために教育機関として、ベビーチュータープロ養成講座を開講していましたので、講師の先生たちに、お母さんたちが今大変な思いをしていることを相談しました。また、世間を賑わした小学校お受験の競争で悩んだお母さんが子どもの同級生をあやめてしまうという悲惨な事件が起き、大きな衝撃を受けたこともあって、一企業であるキンダーネットワークではなく、もっと社会的な位置づけの視点で親を支援する組織をつくるため、小児科の医師、家庭裁判所の調停員、私立幼稚園の園長、そして在宅保育ベビーシッター会社代表である私の4人で、米国のNPO団体の情報を取り入れ、NPO法人日本子育てアドバイザー協会を2002年に設立しました。

猪口 当時、子どもを育てる支援はあっても、お母さんを支援する親側への目線は少なかったのですね。

小谷野 そうなんです。子育て支援は、保育園を沢山つくり待機児童対策など盛んな時でした。そんな時「子育ては社会全体で」「孤立させない子育て」をと、「子育て支援は親支援」という協会の理念を掲げました。健全な子どもの成長には、親が安心して子育てできる環境づくりが優先ではないかと考えました。実際に子育てをするのは親御さんです。専門家の先生が正しい子育てとは、または、叱らない子育て、と言ったところで、お母さんの気持ちがバタバタしていたら何も伝わりません。お子さんが言うことを聞かないでイライラするという相談に、子育てアドバイザーは、「どうしてそうなったの?」「お子さんに対してどういう気持ちなの?」など、原因を追及するようなことは一切しません。お母さんが話しやすいことを自分から話してもらいます。お母さん自分自身が小さい時のことを思い出して「実は、私の親がこういうふうに育てたんですね」「私も同じことをしていました」と気づくまで、じっと話を聴いて待っています。お母さんは答えを自分で持っているんですね。でも、聴いてくれる人がいなければそれは出てきません。話を聴いてあげることでいろいろなことが分かってきて、お母さん自身が解決していきます。私たちはアドバイザーですが、主な役割は傾聴です。そして指示的なこと、指導的なことは一切しないのが私たちの鉄則です。

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