組織・人事に関わる全ての施策は、日本人の特性や自社の独自性への洞察なしには機能しない。それは、OSが違えば、アプリが動作しないのと同じである。欧米の真似でもない、うまくいっている会社の真似でもない、日本企業において本当に機能する組織・人事の考え方や施策について思索・指南する連載。
最後に、汎用的な知識・スキルも持っている。組織で働くのであるから、会社の運営に関わる基礎的な知識、会社全体の目指すところや目標、組織の分掌・ルール、役割行動やコミュニケーションといったものは、当然のようにわきまえている。自分の役割を狭く限定的に捉え、その役割を十分に果たしているのだから、全体のこと、他の部門のことは知らなくても問題ないだろうといった姿勢ではない。一般的、常識的でどこの会社、どんな組織においても通用する形での思考・言動ができる。自分の会社だけしか通用しない思考や言動のスタイルに満足することなく、汎用的な原理・原則として理解している。バリューワーカーが、社内にとどまらず広く多様なコラボレーションで成果を出せるのは、様々な経験から得た知識・技術を、社外でも通用する汎用的な原則・体系として理解しているからである。
【つづく】
新しい「日本的人事論」
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2018.06.16
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。