今回のテーマは、「存在意義を考える」です。若い人を中心に、組織の中での自分の存在意義を見出せずにいる人が少なくありません。入社したてでは、なかなか結果も出せず、業績に大きく貢献することも難しいです。まずは「できること」から取り組んでいくことが大切です。若手だからこそできること、若手にしかできないことも存在するのです。
■□■ 若手だからできること ■□■
1.3つの効力感(経験が薄い時期にこそできることがある)
効力感とは「物事に対して、自分でもチャレンジすれば十分できる」と思える心」。小さな成功体験を積み重ねていくことによって「自分でもできる」と自分を信じたり肯定したりする気持ちが持てている状態を言います。
仕事の経験が薄い若手社員には、本業でなかなか貢献できない分、組織にある種の活力を与えることが期待されているはずです。一人前になるまでの間は、下の図表のような3つの効力感を失わないように自らに言い聞かせて臨んでください。
2.人のやりたくないことを引き受ける
入社したばかりで、まだ仕事の基本もできていないし、ノウハウもない時期には、難しい仕事が回ってこないのは当たり前です。そんな時やるべきことは、たった一つしかありません。「人のやりたくない仕事」を積極的に引き受けることです。実は人の嫌がる仕事の中にこそ、「仕事ができる人」に向かっての「基礎体力づくり」のエッセンスが満載なのです
3.最近の若い人の意識を伝える
会社の事業内容によるでしょうが、多くの事業が若い人の購買意識や、生活意識や、組織の中での満足度などを対象に成り立っているはずです。事業内容に合わせて、積極的に同級生や友人の意識調査をして、上司あるいは経営に報告してみましょう。
■□■ 一人何役を意識する ■□■
「それは僕のやるべきことなんでしょうか?」と自分に枠を作る人がいます。これは、早くも自分を「仕事のできる人」になることから遠ざけていることになります。
1.いくつも仕事を同時並行する訓練
段取りが難しくなり、トラブルに見舞われたりして苦労するのは、いくつかの仕事を同時並行するようになってからです。しかしそこからが仕事の本番です。
上司や先輩からあなたの状況を無視して、次々と指令が飛びますが、それはチャンス。そんな時こそ「ハイ」と引き受けて、いくつもの仕事を同時並行で進める訓練をしましょう。
2.自分の領域にこだわり過ぎない
最初のうちは、なかなかやりがいを感じられるなれる仕事が回ってくるわけではありません。自分が何に向いてるか、向いていないかなど、新入社員はまだ見極められるわけがないのです。自分の枠に凝り固まらずに、何にでも興味を持ち、幅を広げることを基本姿勢にすべきです。「来た球はすべて打つ」という姿勢です。
■□■ 雇われる力 ■□■
最近「エンプロイアビリティ」という言葉をよく聞くようになりました。「雇われる力」などと訳されていますが、私はこれには3つのことが言えると思っています。
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。