「スター社員の仕事術」~ストーリーを描く~

画像: ITU Pictures

2010.06.30

仕事術

「スター社員の仕事術」~ストーリーを描く~

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

今回のテーマは、『ストーリーを描く』です。ストーリーを描いて仕事をする上で最も重要なことは、「スケジュールを立てる」「段取る力」「失敗を想定する」ことです。 これら3つのことを確実に実行するための施策や心得をお話します。

■□■ スケジュールを立てる ■□■

1.「納期までに」ではなく、いつ始めていつまでにやるかを自分で決める
さて、スケジュールですが、たいていの人は
①「いつまでにやればいいか」という「納期」を意識する
②その日までに間に合うやり方を考える
という順番になるのではないでしょうか。この場合の「納期」とは、依頼者の都合や、上司からの指示などで決められている最終期限のことです。こういうやり方をしていると、仕事の質が上がりません。定められた納期を期限にして、できる範囲でやるのではなく、「やれる方法を徹底的に考えて、できる限り早い期限を設定する」という姿勢が大切です。

2.マイルストーンを設定する
マイルストーンとは、プロジェクトの中で、中間報告的な、大きな節目のことを指します。一定サイズ以上のプロジェクトでは、達成したい目標へ向かってまずステップごとに段階を分け、計画を立てて実施します。このステップの区切りに、プロジェクトメンバーでの進捗の確認会や中間報告会のようなイベントをスケジュールに盛り込みます。中間報告会のときに進捗やクオリティーの検証結果によっては、修正計画で新たなるスタートを切ります。

3.時間の見積もりを冷静にする
「大丈夫、来週までにできます」などという強気の発言をしながら、蓋を開けてみると、決まって期限で完了できない人がいます。そういう人には次のような傾向があります。

・細分化された一つひとつの仕事にどれだけ時間がかかるかわからない
 →「時間の見積もり力」が欠けている
・未来に向かうほど、時間の余裕を過大に期待してしまう
 →「余裕の見積もり力」が欠けている

試行錯誤を繰り返し、時間を見積もる力をつけていくことが大切です。

■□■ 段取る力 ■□■

二つ目に大事なことは「段取る力」です。段取りが取れている状態の定義は、「突発事項や、追加の仕事の読みも立てた上で、スケジュールに基づいてすぐに着手できるレベルまで具体的な作業内容を明確に決められている状態」です。

1.5分トライアルの勧め
細分化された「課題のつまみ食い」をしてみることをお勧めします。私はこれを「5分トライアル」と呼んでいます。
順番に課題に取り組むのが一般的ですが、「5分トライアル」は、すべての課題を5分間だけ考えてみる、すべての作業について5分間だけチャレンジしてみる、というものです。時間を再見積もりすることになりますし、事前にどれかの作業が他の人の力を借りなくてはならないとわかれば、段取りを変えることができます。

次のページ2.外の人の力を借りる3つの心得

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今野 誠一

今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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