前回は、『常にコンセプトを考える』ということについてお話しました。今回は、『目標を明確にする』というテーマですが、『コンセプト』と『目標』はどう違うの?と疑問に思われる方もいらっしゃると思いますので、その違いを説明します。
『コンセプト』とは、その仕事で何が大切か、というポイント。お客様の満足のためにどんなレベルで仕事をするのかというイメージなどです。
『目標』は、より具体的な行動レベルの定義です。いつまでに何をするか、ということです。
「コンセプト」 →「目標」→「マイルストーン」→「タスク」と、順番に具体的になっていくもの、と考えてください。
『目標』は、次の3つが重要事項です。
① ゴールイメージを明確に持つ
② できるだけ数値化する
③ 目標を共有する
■□■ ゴールイメージを持つ ■□■
ここで質問です。
Q:あなたが今取り組んでいる仕事を達成するとどんな未来が訪れますか?
Q:あなたは自分の仕事が、部門や会社といった上の組織の目標やミッションと連動している感覚を持っていますか?
Q:あなたが今取り組んでいる仕事には、具体的な目標が設定されていますか?
Q:あなたは仕事で立てた目標を常に紙に書き出して、可視化していますか?
さあ、どうだったでしょうか? 全問について、答えられるか、またはYESだったあなたは、すでに仕事のできる社員ですが、全滅したあなたは、もう一度仕事への取り組み方を考えましょう。
ルーチン業務を回していても、クライアントのある仕事でも、個別の案件に夢中になると、往々にして視野が狭くなり、「この仕事が、将来の理想や、会社や部門の目標につながっているんだ」という実感が薄くなってきます。常に意識をしていないと、一部の部署が、全体の目指す方向と全然違う方向の目標を持って進んでいるということも起こりえるのが組織の恐いところです。
目標や、それを達成するための具体的なアクションプランなどは、必ず紙に書いて掲示したり、ノートの一番上にファイルしたりして、いつでも見られるようにするのが基本です。
■□■ 目標はできるだけ数値化する ■□■
目標は、達成したかどうかを評価しやすいものにしておかないと、いつも「あやふやになってしまう」という性質を持っています。組織というものは生き物で、次々にやるべきことが発生してきて、それでなくても、決めたことがウヤムヤになってしまいがちです。そんな中で、達成状況を評価できない目標などは、一番先に曖昧なまま放置されてしまいます。目標を設定する時には、できるだけ数値化できるものは数値化することが基本です。
定性的な目標でも、「○○という目標は、どうやら6合目くらいまでは来ていると判断している。なぜならば、~は~で……」などと説明すればよいのです。そうすると、全体の達成度を全員で共有することができます。
次のページ■□■ 目標は共有する ■□■
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。