前編では、「世の中の変化」ということで、マクロ分析とそのための準備についてお話しました。後編では、「自分の会社の将来展望と環境」についてと、前編後編のまとめ「自分自身の強みと弱み」についてお話します。
■□■ 所属している会社の将来展望を含めた環境 ■□■
何が障害になるかを考える二つ目は、自分の会社の将来展望と環境について、です。
自分の5年後の理想の姿と、勤めている会社の5年後の姿とを、切り離して考えることはできません。
会社や所属部門の業績動向に、常に関心を持つことが必要です。
もし、今後の状況が芳しくないものである読みが立つときに重要なことは、逃げ出すのではなく、よくしていくために「自分に何ができるか」を考えることです。
社長一人の力で舵取りをして、社員はそれに着いていけばいい、という時代ではなくなっています。
それだけ競争環境が複雑になっているということ。どんな会社でもずっと安泰でい続けることが難しい時代です。
自分自身が会社のアンテナとなって、現場の情報を伝え、経営判断に協力していく必要があるのです。それが社員としての責任です。
業績のよい安心できる会社や、自分にとって居心地のいい会社を探して渡り歩くようになると、5年後の理想像どころか、どんどん履歴書を汚し、何ごとにも中途半端な、単に「いろんな会社を知っている」だけという、5年後の成功イメージにはほど遠い状態になってしまいます。
そして、少しレベルは高くなりますが、業界の動向に敏感になること。その中で自社はどう生き残っていけるのかを考えること。業界の他社に、一緒に語り合えるネットワークを持っていたら一番いいのです。
情報交換をして、共に業界の行く末を議論し、高め合える仲間を同業他社に持っていると強いのです。
所属している会社で生涯となることを考えるということの最後に、環境の面について考えてみましょう。
仕事をしていく環境面では、大きく3つのことが障害になるものとして取り上げなければなりません。
①「仕事内容」②「上司」そして③「人事制度」です。
仕事内容と上司は、自分で選べないことがほとんどだと思います。
会社の都合で、いつどんな異動を申し渡されるかわかりませんし、定期人事で上司がいつ変わるかもわかりません。こうした人間関係の変化が危機となる場合もあるのがサラリーマンの宿命です。
私のサラリーマン時代の20数年間は、正に仕事内容と上司が変わることとの戦いでした。
ここでは長くなりますから、自分史を振り返るのは止めておきますが、心がけていたことを上げておきます。
①「仕事内容」~置かれたところで咲く~
今、振り返ってみますと、どの時代のどんな仕事でも、自分の役に立っていないことはなかったと思います。
どんな地味な仕事にでも仕事の基本は詰まっていましたし、どんな人の嫌がることでも、それに挑戦し乗り越えることによって、自分の仕事人として、ひいては人間としての幅を広げることに繋がった実感があります。
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。