仕事を協働する上で欠かせないものが「信頼」です。その「信頼」を勝ち得るためには、一つ目に「オープンマインド」の姿勢が重要となります。オープンマインドというと、自分を正直にさらけ出すこと、と単純に考える人もいるかと思いますが、それだけではありません。
■□■ 誰にでもまっすぐ向き合う ■□■
「虚心坦懐(きょしんたんかい)」という言葉があります。辞書で引くと、「何のわだ
かまりもない素直な心で、物事に臨むこと。偏見がなく心を開いていること」とあります。自分以外の人と協力して何かに取り組む時には「偏見がなく心を開く」ということが、最も大切なことですね。
具体的には、「人を色メガネで見ない」ことです。「色メガネ」とは、「その人の思い込み」のことです。
人は、誰でも「自分だけは物事の真実を見ている」と思いがちなのですが、どんな人にでも色メガネはあるということを肝に銘じなくてはなりません。何かを判断する時に、色メガネをはずして、直接自分の目と心で確かめてみることをしないと、思わぬ誤解を生んで
しまい、信頼を勝ち得る以前の問題になってしまいます。
【3つの思い込み】
①人にレッテルを貼ってしまう
何かの拍子に仕事上の失敗をしたとして、その経緯を理解せずに「彼は危なっかしい奴だ」
と決め付けて、次から仕事を頼まなくなる、などは典型的なレッテルです。
②物事を主観的に見てしまう
ものの見方考え方には、自分の価値観・人生観・常識(と思っているもの)・
思い出や経験などが、強く反映されるものです。
③ステレオタイプというモノの見方
「今の若い者はマナーがなっていない」など物事を型にはめてしまう見方です。
■□■ 仕事に臨む ■□■
仕事に臨むにあたっては、いつも「正直」でいることが大切です。仕事上のやりとりで、「嘘をつかない」ことと、取り組みに際して、「自分の気持ちに正直になる」ことです。
自分の立場を守ろうと、ちょっとのつもりでついた嘘がどんどん大きくなってしまう経験はありませんか。たとえば仕事の納期が遅れそうなときでも、何も手を付けていないのに「半分できています」などと言ったあとで、「では半分でもいいから見せて」と言われたらどうなるでしょう。ちょっとしたことでついた嘘がばれそうになって、嘘の上塗りをせざるを得なくなりませんか。
普段から、悪い情報でも早く正直に開示する姿勢でいれば、その場は気まずくなったとしても、その方がかえって後で楽にやっていけます。
次に「自分の気持ちに正直になる」についてです。『プロ論』という本で、コピーライターの糸井重里氏は、こう言っています。
「正直に、素直に生きることです。たとえば、何を求めているかを高らかに宣言したらいい。……宣言しとけば、だれかが助けてくれるかもしれない。黙っていたら、助けようにも助けられないでしょ」
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。