今日は、プロジェクト管理における、マネジャーとリーダーの分離についてご説明します。プロジェクトマネジメントの達人的な人であれば、いつまででもマネジャー兼リーダーができるんでしょうけど、普通はある程度の段階で分けたほうがいいと思います。
コンサルティングに入った先でメンバーをインタビューすると、いつまでもあの人がプレイングマネジャーで困るんですよ・・・、という部下のトホホな意見にさらされます。
あなた、そろそろマネジメントに専念しないといつまでたってもリーダーが育たないですよ、とズバっと言えるといいのですが、私も直接的には言いにくいですね。
間接的に、「リーダーとマネジャーを分けるほうが・・・」とか、「メンバー的にはコミュニケーション的な問題があると思っているようです・・・」とか言ってみますが、なかなか気づかないですね。
いや、いつまでもプレーヤーの楽しみを味わっていたい的な方はいっぱいいらっしゃいますよね。
正直、迷惑なんですけどね。
で、マネジャーとリーダーの違いは何ですか?と言われると、即答しにくいですけど。
解答することを試みますと、
マネジャーは主にリソースを準備し、プロジェクトを組成し、スコープを決めて、締切りを切り、リスクを管理しつつ、最終的な決定を担う人で
リーダーは組成されたプロジェクトを決められた範囲内でゴールに向けて推し進める推進力になり、メンバーの力を引き出し、プロジェクトの成果を自らの手で出しに行く人
・・・でしょうか?
いわゆる、企業のCEOとCOOの分離に近い役割分担だと思います。
日本企業では、社長がCEO兼COOだったりしますよね。
日本企業的にプロジェクト業務をやろうとすると、いつまでたってもマネジャーとリーダーの分離を実施しないことが見受けられます。
というか、そういう発想がない場合も多い。
いつまでも現場の楽しみというか、忙しいことにかまけたいがために、目をつぶる管理者も多いですよね。
「あなたが仕事を抱えているから、効率悪いんですよ」と管理者にコンサルタントの私から言ってくれと頼むメンバーの方もいます。
でもまあ、タイミングってありますよね。
いきなり言って、不評を買って、プロジェクトが無くなってもこまるでしょ、と。
外堀を少しずつ埋めつつ、その管理者を追い詰めるというか、そういうスタイルを私は取りますけどね。
まあ、でも、その管理者が発注者だったりすると、迷いますよね。どう言おうかな、と。
実際に変革を起こすことにのみコンサルタントのバリューがあるとして、直接的に言ったほうがよくなるなら、言いますけどね。
逆効果の場合も多々あるので、なかなか難しいのですが。
これを読んでハッとしたマネジャーさんはいませんか?
部下は「いつまでもお前がリーダーを兼ねてるんじゃねーよ!」と思っているかもしれませんよ。
正直、そういう人は迷惑なので、次期マネジャーを育てるためにも、リーダー的な人間をしっかり育てつつ、そういうメッセージをメンバーに発して下さいね。
メンバーの怒りが爆発する前に。
プロジェクト管理については、今後も書いていこうと思います。では、次回をお楽しみに。
マネジメント
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。