元ザッポス社CEOのトニー・シェイと生前に最後に会ったのは、ロサンゼルスのダウンタウンで行われたイベント会場だった。ザッポスにおける「セルフ・オーガニゼーション」の取り組みがやっと軌道に乗ってきたようで、アップビートだった。追悼ブログの第九回。
トニーは「コネクター(人と人とをつなぐ人)」だった。ダイナミックな起業家/経営者であったことはもちろんだが、何より、彼のライフワークは「コミュニティをつくる」ことだったのではないかと私は思う。ビジネスを通して、アートを通して、ミュージックを通して、「世の中に幸せを届ける」人たちのコミュニティをつくることに、トニーは46年の生涯を通じて尽力し続け、直接または間接的に彼が触れたすべての人にそのバトンを渡し続けた。
「『ハピネス』とは旅路の途中であり、目的地ではない」と、拙著『ザッポスの奇跡』に寄せてくれた「日本の読者へのメッセージ」の中でトニーが言うように、私たちはみな、その旅路の途中にある。私を含め、トニーからバトンを託された者たちが、いかに各々の「ライフ・パーパス(人生の目的)」を全うするのか、そして、次に誰にどのようにバトンを渡すのかは、私たち次第である。
追記:ザッポスの「セルフ・オーガニゼーション」の取り組みについては、この記事に詳しく書いているので興味のある人はぜひお読みいただきたい⇒ザッポス流「セルフ・オーガニゼーション」──自由のための「アカウンタビリティのトライアングル」とは?/翔泳社BizZine寄稿コラム
企業文化
2020.12.24
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ダイナ・サーチ、インク 代表
ダイナ・サーチ、インク代表 https://www.dyna-search.com/jp/ 一般社団法人コア・バリュー経営協会理事 https://www.corevalue.or.jp/ 南カリフォルニア大学オペレーション・リサーチ学科修士課程修了。米国企業で経験を積んだのち、1982年に日米間のビジネス・コンサルティング会社、ダイナ・サーチ(Dyna-Search, Inc.)をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立。米優良企業の研究を通し、日本企業の革新を支援してきた。アメリカのネット通販会社ザッポスや、規模ではなく偉大さを追求する中小企業群スモール・ジャイアンツなどの研究を踏まえ、生活者主体の時代に対応する経営革新手法として「コア・バリュー経営」を提唱。2009年以来、社員も顧客もハッピーで、生産性の高い会社を目指す志の高い経営者を対象に、コンサルティング・執筆・講演・リーダーシップ教育活動を精力的に行っている。主な著書に、『コア・バリュー・リーダーシップ』(PHPエディターズ・グループ)、『アメリカで「小さいのに偉大だ!」といわれる企業のシンプルで強い戦略』(PHP研究所)、『ザッポスの奇跡 改訂版 ~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~』(廣済堂出版)、『未来企業は共に夢を見る ―コア・バリュー経営―』(東京図書出版)などがある。