14歳から大人まで 生きることの根っこをかんがえる『ふだんの哲学』シリーズ 〈第7章|意志・こころ〉第3話
〈じっと考える材料〉
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師:1929-1968年)は、アフリカ系アメリカ人の公民権運動の指導者である。アメリカ合衆国における人種差別撤廃の運動に生涯を捧げた。「I Have a Dream.(私には夢がある)」の演説は、時を超えて人びとの心に訴えかけるものがある。1968年4月、遊説先のテネシー州メンフィスで暗殺された。
2001年9月11日、アメリカ合衆国ニューヨークにある世界貿易センタービルに2機の旅客機が突入し、爆発炎上した。「9・11アメリカ同時多発テロ事件」の発生である。その後の捜査によって、旅客機はハイジャックされた後に、犯人たちが機体を操縦し、ビルに突入させたことが判明した。
人は成長するにしたがって、なにかしら信念を持つようになります。信念とは、自分の心の奥に持つ「ものごとはこうあるべきだ・こうすべきだ」という考えの軸になるものです。
信念は、自分が受けた教育内容や育った環境(家庭や場所、時代)、読んだもの、見たもの、出会った人、体験したことなどに影響を受けながらつくられます。その意味で、あなたもいま、いろいろなところから影響を受け、じょじょに信念をつくりつつあります。よく、大人で「自分には信念のようなものはないよ」と言う人がいますが、信念のない人はいません。人間は強弱の差こそあれ、なにかしら信じることがあって、その方向に考えの軸が傾いていくものです。
信念は強くなると、主義や思想、信仰といった形になって表れてきます。たとえば、「世の中は結局、お金がものを言う。だからできるだけ多く金もうけしたほうがいい」と考える人は、その信念が強くなると拝金主義に傾いていきます。また、「世の中は結局、人びとの信頼や愛情によって成り立っている。だから争いをなくして仲良く暮らそう」と考える人は、その信念が強くなると、博愛思想を持つようになります。また、「科学で説明がつかないことは迷信である。だから神や霊魂のような存在は信じない」と考える人は、その信念が強くなるにつれ、科学的合理主義で世界をみようとします。「いや、科学ではとらえきれない超越した法則がこの宇宙にはある。だから私は神や仏を信じ、祈りを捧げたい」と考える人は、その信念が強くなると、なにか信仰を求めるかもしれません。
信念は、よくもわるくも、あなたの考え方や行動に方向性を与えます。それはあたかも地球には目に見えない磁力の軸があって、どんな場所に方位磁石を置いても、針を南北方向に動かすことに似ています。
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14歳から大人まで 生きることの根っこをかんがえる『ふだんの哲学』
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キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。