【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第6回 研修は「終わった瞬間」から始まる ――実践期間とマルチエンディングという発想 研修が終わった直後、 受講者がこう言うことがある。 「いい研修でした」 「勉強になりました」 多くの研修は、 この言葉とともに終わる。 だが私は、 その瞬間を最も危険なタイミングだと思っていた。 なぜ研修は、現場で消えるのか
【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第6回
研修は「終わった瞬間」から始まる
――実践期間とマルチエンディングという発想
研修が終わった直後、
受講者がこう言うことがある。
「いい研修でした」
「勉強になりました」
多くの研修は、
この言葉とともに終わる。
だが私は、
その瞬間を最も危険なタイミングだと思っていた。
なぜ研修は、現場で消えるのか
理由は明確だ。
• 現場に戻る
• 業務に追われる
• 周囲は何も変わっていない
• 試す前に忘れる
どんなに良い研修でも、
現場に戻った瞬間に“日常”に飲み込まれる。
だから私は、
研修を「当日」で完結させなかった。
実践期間を「3か月」にした理由
私が設定していた実践期間は、
原則3か月。
短すぎると、
人は試さない。
長すぎると、
人は忘れる。
3か月という期間は、
• 一度は試せる
• 失敗も経験できる
• もう一度やり直せる
変化が“実感”に変わる最小単位だった。
実践期間中、人事は何をしていたか
ここでよく誤解される。
「人事がフォローする」
というと、
• 指導する
• 管理する
• 進捗を詰める
と想像されがちだ。
違う。
私たちは、
オブザーブ(観察)していただけだ。
• メーリングリストでのやり取り
• チャットでの温度感
• 誰が動いているか
• 誰が止まっているか
ここで見ていたのは、
成果ではない。
熱量だ。
熱量は、嘘をつかない
実践がうまくいっているかどうかは、
数字を見なくても分かる。
• 自発的な投稿があるか
• 他人の相談に答えているか
• 試した報告が共有されているか
これらがあれば、
多少の失敗は問題ではない。
逆に、
• 報告が義務的
• やらされ感が出てくる
• 静かになる
この状態で
「成果が出たか」を聞いても、意味はない。
研修の“エンディング”は一つではない
ここで、
私が一番大切にしていた考え方がある。
研修の終わり方は、一つである必要はない。
実践期間中の熱量によって、
エンディングを変えた。
熱量が高かった場合
• ホールを借りる
• 発表会を行う
• 上司や関連部署を呼ぶ
• 投票で表彰する
• 場合によっては商品化する
社長が来ることもあった。
クリスタルのトロフィーは、
机の上に飾られる。
研修は、
誇れる経験になる。
熱量が低かった場合
• 会議室で実施
• 資料を配布
• 共有して終わる
それ以上は、やらない。
無理に盛り上げない。
失敗を美談にしない。
なぜ「差」をつけたのか
理由は一つ。
姿勢によって、結果が変わることを
体感させるため
全員を同じ扱いにすると、
人は本気にならない。
• やった人が報われ
• 動いた人が評価され
• 挑戦した人が誇れる
この当たり前を、
研修の中で実装した。
研修は「一生の記憶」になる
発表会の様子は、
• 写真集
• DVD
として残した。
休んだ人も見られる。
翌年の人も見られる。
研修は、
その年だけのものではなくなる。
ここまでやって、初めて「研修が終わる」
研修は、
• 当日で終わらない
• 実践で終わるわけでもない
振り返りと共有まで含めて、初めて完結する
ここまで設計して、
ようやく研修は「投資」になる。
次回予告
次回は、
ここまでのサイクルを支えていた
環境設計とホスピタリティの話をする。
• なぜ会場にこだわったのか
• なぜ弁当を出さなかったのか
• なぜ休憩やBGMを徹底的に設計したのか
研修効果を左右する
見落とされがちな要素だ。
【決定版】人材育成のトリセツ
2026.01.28
2026.02.03
2026.02.04
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター
● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民
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