【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第6回研修は「終わった瞬間」から始まる

2026.02.04

組織・人材

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第6回研修は「終わった瞬間」から始まる

富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第6回 研修は「終わった瞬間」から始まる ――実践期間とマルチエンディングという発想 研修が終わった直後、 受講者がこう言うことがある。 「いい研修でした」 「勉強になりました」 多くの研修は、 この言葉とともに終わる。 だが私は、 その瞬間を最も危険なタイミングだと思っていた。 なぜ研修は、現場で消えるのか

【決定版】人材育成のトリセツ(取扱説明書)――第6回


研修は「終わった瞬間」から始まる

――実践期間とマルチエンディングという発想

研修が終わった直後、
受講者がこう言うことがある。

「いい研修でした」
「勉強になりました」

多くの研修は、
この言葉とともに終わる。

だが私は、
その瞬間を最も危険なタイミングだと思っていた。



なぜ研修は、現場で消えるのか

理由は明確だ。
• 現場に戻る
• 業務に追われる
• 周囲は何も変わっていない
• 試す前に忘れる

どんなに良い研修でも、
現場に戻った瞬間に“日常”に飲み込まれる。

だから私は、
研修を「当日」で完結させなかった。


実践期間を「3か月」にした理由

私が設定していた実践期間は、
原則3か月。

短すぎると、
人は試さない。

長すぎると、
人は忘れる。

3か月という期間は、
• 一度は試せる
• 失敗も経験できる
• もう一度やり直せる

変化が“実感”に変わる最小単位だった。



実践期間中、人事は何をしていたか

ここでよく誤解される。

「人事がフォローする」
というと、
• 指導する
• 管理する
• 進捗を詰める

と想像されがちだ。

違う。

私たちは、
オブザーブ(観察)していただけだ。
• メーリングリストでのやり取り
• チャットでの温度感
• 誰が動いているか
• 誰が止まっているか

ここで見ていたのは、
成果ではない。

熱量だ。



熱量は、嘘をつかない

実践がうまくいっているかどうかは、
数字を見なくても分かる。
• 自発的な投稿があるか
• 他人の相談に答えているか
• 試した報告が共有されているか

これらがあれば、
多少の失敗は問題ではない。

逆に、
• 報告が義務的
• やらされ感が出てくる
• 静かになる

この状態で
「成果が出たか」を聞いても、意味はない。



研修の“エンディング”は一つではない

ここで、
私が一番大切にしていた考え方がある。

研修の終わり方は、一つである必要はない。

実践期間中の熱量によって、
エンディングを変えた。



熱量が高かった場合
• ホールを借りる
• 発表会を行う
• 上司や関連部署を呼ぶ
• 投票で表彰する
• 場合によっては商品化する

社長が来ることもあった。

クリスタルのトロフィーは、
机の上に飾られる。

研修は、
誇れる経験になる。



熱量が低かった場合
• 会議室で実施
• 資料を配布
• 共有して終わる

それ以上は、やらない。

無理に盛り上げない。
失敗を美談にしない。



なぜ「差」をつけたのか

理由は一つ。

姿勢によって、結果が変わることを
体感させるため

全員を同じ扱いにすると、
人は本気にならない。
• やった人が報われ
• 動いた人が評価され
• 挑戦した人が誇れる

この当たり前を、
研修の中で実装した。



研修は「一生の記憶」になる

発表会の様子は、
• 写真集
• DVD

として残した。

休んだ人も見られる。
翌年の人も見られる。

研修は、
その年だけのものではなくなる。



ここまでやって、初めて「研修が終わる」

研修は、
• 当日で終わらない
• 実践で終わるわけでもない

振り返りと共有まで含めて、初めて完結する

ここまで設計して、
ようやく研修は「投資」になる。



次回予告

次回は、
ここまでのサイクルを支えていた
環境設計とホスピタリティの話をする。
• なぜ会場にこだわったのか
• なぜ弁当を出さなかったのか
• なぜ休憩やBGMを徹底的に設計したのか

研修効果を左右する
見落とされがちな要素だ。

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富士 翔大郎

人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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