/今回のこの人生は、残念ながら、もはやただの消化試合だ。ここであれこれ期待してもムダ。それよりも、体力気力を温存して、来世に賭けよう。生まれ変われば、きっといいこともあるさ。/
やる気の問題じゃない。どうやってもムリ。勝てもしないし、引き分けにもできない。なのに、人生、辞められもしない。この世に生きていることはもう、天罰、呪いみたいなものだ。
年があらたまったとはいえ、今年になってなにか良い兆しがあるわけじゃない。それどころか、世の中、悪くなる一方。古い澱が積もりに積もって、さらにとめどなく助長されていっている。どうすればいいか、どうしなければいけないか、なんて、だれでもわかっているのだが、だれもどうもする気がない。というか、そんなことをしようとすれば、この時代、真っ先に潰される。
生まれた時点で負けが決まったようなもの。資産相続、特権世襲のハイウェイに乗っている連中とは、最初の一歩から道が違う。こっちの先は、信号待ちだらけの大渋滞。おまけに、わけのわからないボケた連中の事故に巻き込まれたり、進まないのにぶち切れた連中の当たり散らしをぶつけられたり。そのうえ、それがきみのせいだ、などとまで言われてなじられ、いよいよその処理に手間を取らされ、メンタルにやられる。
働いたら罰金、生きているだけでも罰金。かといって、ちょっとでも気を抜いたら、いよいよ罰金。きみに関係ないのは、相続税くらい。とにかく、なんだかんだ理由をつけて、政府とか会社とかいう組織的な山賊に、日々、カネを巻き上げられ、義務を負わされる。まさにゲームの大貧民。一方、きみから巻き上げたカネ、きみに課した責任を、ハイウェイに乗った連中は自分たちでいいように使って、いよいよきみの頭の上を高速で通り過ぎていく。
文句を言ったって、だれも聞く耳なんか持っていない。地べたに座る仲間内でグチるのが、せいぜい。それで、だれかに、立ち上がれ、なんて、言われて、その気になったところで、声をかけているやつらに、これまた、いいように利用されるだけ。いつかは、神さま、仏さまが、なんて信じたところで、そのいつかは、今日明日、今年来年の話じゃない。おそらく数十年、数百年も先のことで、これまでだって、すでに手遅れ。いまさら人生のやり直しもできない。
まあ、ようするに、もうこの世に生まれてきたのが失敗。この先、どうがんばったって、一発逆転、一気挽回なんかできっこない。むしろ、もがけばもがくだけ、泥沼に嵌るだけ。できることと言えば、できるだけなにもしないで、理不尽に降りかかる災難を避け、いかに負けのダメージと心の痛みを減らすか、だけ。
つまり、今回のこの人生は、残念ながら、もはやただの消化試合だ。ここであれこれ期待してもムダ。それよりも、体力気力を温存して、来世に賭けよう。生まれ変われば、きっといいこともあるさ。
百日一考
2024.03.22
2024.04.07
2024.10.16
2025.01.03
2025.01.14
2025.01.18
2025.02.16
2025.02.27
2026.01.02
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。
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