輝けるビジネスパーソンは、自らの夢や志を見付け出し、情熱を傾けることができる自分の居場所を見つけています。彼らの仕事にも、また私生活・ライフスタイルの中にもその「夢」や「志」が現実的な形や行動となってはっきりと現れています。前回特集でご紹介させて頂いたキャリアデザイン分野での人気講師村山昇氏は、どういったライフスタイルを実践しているのでしょうか。
村山氏に、仕事に対する想い・存在意義を語っていただいた。
「ビジネスパーソンは長いキャリア人生をおくる訳ですから、自らが納得できない仕事に長く携わっていると、義務や責任感が主体となって時間を過ごす事が多くなります。
これでは消耗戦に陥り、ストレスやジレンマによって本来の輝きが損なわれてしまいます。私は『医者』という職業は、人の生命に直接的に役に立つという意味で最も尊い仕事の一つだと考えていますが、私の職業マインドもまた『人の役に立つ』ということです。
つまり、その人の成長意欲を知った上で私が施す『教育サービス』が、ポジティブな人には成長意欲を促進し、ネガティブな人にはストレスを軽減させる『薬』になれば本望であると考えています。本一冊であっても、その影響力によっては一種の薬となり得ます。私は、知識や自分自身の生き様を、執筆活動や講師としての活動を通して『薬』へと調剤し、そしてそれを提供することで、社会に貢献したいと考えています。」
最近は、スローライフ的な生活をテスト的に始めているという村山氏。
「私は誰か一人というよりは、いろいろな人から影響を受けてきたと感じていますが、今、最も生き方・働き方の模範として関心のある人物の一人は、ヘンリー・D・ソロー氏です。
彼は、19世紀中期に起きたアメリカ・ルネッサンスの中心となった作家・思想家です。代表著作に『ウォールデン:森の生活』があります。
これは2年2ヶ月におよぶ、森での一人暮らしの記録を纏めたもので、当時、急速に進む科学技術と資本主義経済が人々の暮らしを劇的に即物的・快楽的な性質に変えつつある中にあって、人間が獲得する真の安堵や幸福は、自然との調和の生活の中にこそあるという主張を彼独自の見事な文体で著しています。
ソローがすごいなと思うのは俗世をすてて山にこもったという単なる厭世観漂う自然賛美者ではなく、山にこもっているからこそ、急速に変わりゆく都市の文明を客観的に見つめることができ、時折町に下りてきて、市民に対して講演を行うという骨太にヒューマニズム啓蒙の実践家だったことです。マハトマ・ガンジーのインド独立運動や、キング牧師の市民権運動などに思想的な影響を与えました。
スローライフという言葉がありますが、私は気負いの無い自然体で、田舎と都会での二重仕事をするスタイルを生き方・働き方として今後目指したいと考えています。」
自分自身のキャリアへの拘りの中から得た気付き、そして生き様そのものから得られる知見を教育サービスという『薬』に姿を変化させ、世のビジネスパーソンをとおして社会貢献を行うという夢に辿り着いた村山氏。
今取組みをスタートさせたスローライフ的生き方もまた、多くの薬そして処方箋を社会にもたらすに違いない。
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