今回は、ゲームを用いた研修(授業)の企画・教材開発業の第一人者である、エデュテイメントプラネット 代表の柳田善弘氏にお話をお聞きします。
ゲームを使った教育というのは、とてもユニークですが、ゲーム教育に興味を持ったきっかけは?
以前在職していたベネッセコーポレーションという会社で、体験学習を研究する機会があり、それがきっかけになりました。その後、社会人教育という分野に取り組み、ゲームの教育効果の凄さに改めて気付きました。もちろん、自分自身がゲームが好きだったこともあります。
ゲームを用いた教育と聞くととても面白く感じるのですが、普通の研修よりゲーム教育が優れている点はどこでしょうか?
まず1つ目に、講義形式よりもハードルが低くその業界や業種の世界観、つまりビジネス上のルールを学べる点です。ゲームはルールがあってはじめて成立します。そしてゲームに勝つためには、ルールを理解した上で適切な意思決定をしていく必要があります。もちろん、ビジネスの世界はケース・バイ・ケースですが、一度モデルとなるケースをゲームで実際に体験してみて、その結果を得ることによる理解の深まりが非常に優れています。
2つ目は、ワーク形式との違いとして、多くのゲーム教育では競争相手がいることで、よりよい意思決定とは何かを検討できる点です。変化を続ける競争関係の中では正解がありません。単なる体験だけでなく、状況を正しく捉え、相手よりもよい意思決定とは何かについて深く考えることができるのが、教育ゲームの優れた点です。
3つ目に、OJT形式より短時間かつ安全であるという点が挙げられます。例えば、実際にマーケティング戦略を策定し、その結果を獲得するには数ヶ月の時間を要し、また、1つの失敗が企業に大きな損失を与えてしまいます。しかし、教育ゲームを利用すれば、そのプロセスを数時間で体験することができ、加えて様々な失敗はむしろ大きな学びの材料となります。教育ゲームでは沢山失敗して、そこで学んだことを、実務で生かしていけばよいのです。
ゲームならではの学べる点とは例えばどういうものでしょうか?
学習分野を「因果関係」で学べることでしょうか。個別のハウトゥーを学ぶならば講義形式の方がいいですが、教育ゲームではもう少し広い視野での全体を見渡した上で応用力をつけることができます。
また、無理なく「視点の移動」を行なうこともできます。一般社員だけれど社長レベルの視点で物事が考えられる、店員だけど、お客様の目で考えることができるといった具合です。こういう普段体験できない、全体的な世界観を体感することができます。
次のページ具体的にはこれまでどんなゲームを作られましたか?
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