仕事やキャリアで成功している人たちには、不思議な輝きがあります。輝いている人たちに共通すること、それは、クリアーな夢や志(こころざし)を抱いている点ではないでしょうか。ビジネスパーソンが、どのように自らの夢や志を見付け出し、情熱を傾けられる自分の居場所を見つけることができるのか。
ビジネス分野で定番本にありつつある『上司をマネジメント』や『「ピカソ」のキャリア、「ゆでガエル」のキャリア』を著書に持ち、キャリアデザイン分野での人気講師である、キャリア・ポートレートコンサルティング 代表 村山昇氏にそのヒントを取材しました。
村山氏によると「20代から30代前半の若年層職業人にキャリア研修をやっているわけですが、いまや夢・志が死語になりつつあるのが心配です。夢や志を抱くには大きな心のエネルギーが要るので、ただそれだけで気後れしたり、面倒がったりしている人が多い。何か目指すものがなきゃ不安だとは思いつつ、日ごろの雑多な業務に忙殺されて、1年、5年、10年が過ぎていく・・・」のだそうです。
村山氏は、世の中でよく使われる「自分探し」という言葉にも疑問があると言う。「私は“自分探し”なんていうメルヘンな考え方は捨てなさいって言ってますよ。探すということは、いま現在、どこかに求めるものが存在している、正解があることを期待するニュアンスです。そんなものないでしょう。答えは未知の中につくっていくものだから。だから、あえて言えば、“自分試し”でしょうね。いろいろ行動で仕掛けて、試して、結果的に何かを手に入れる、というか手に入ってしまう。まさに谷川俊太郎さんの詩、『僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る』だと思います、意志的な人生というのは」。
村山氏の信条とする言葉は、渋沢栄一氏の「成功や失敗ごときは、ただ丹精した人の身に残る糟粕のようなものである」だそうです。「幸せのキャリアって何だろう?と考えるに、結局、渋沢の言う“丹精”込めて励みたいと思える仕事を自らつくりだすことができるかどうかだと思います。もしそうした仕事を見出し、没頭するできることができれば、もうそれ自体が最上の幸せで、一番の報酬なわけです。その周辺に、成功や失敗という現象や獲得物・損失物がありますが、そんなものは副次的なものに思えてきます。・・・とはいえ私自身、こうして達観しているようですが、まだまだ迷いや雑念は人並みにありますよ」。
では、こうした“丹精を込めるに値する仕事”、もしくは夢や志を見出すためには、どうすればよいのか?この質問に村山氏は次のように端的に答えてくれた。「まずは、小さくても『やりたいこと』を見つけ、行動で仕掛けることです。すると、何らかのフィードバックが自分に返ってくる。そして、また仕掛ける。・・・その連鎖から、当初は小さかった『やりたいこと』が、ある日突然、『情熱』に変化する発火点が生まれる。情熱はさらに『使命感』へと変化し、終には明確な『夢』や『志』として像を結んでいくんでしょう。あとは、自分がいいなと思う働き方、生き方をしているロールモデルを見つけることで刺激になります」。
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