CRMの中核機能を成すコールセンターの運営・品質管理は、企業経営においてもっとも重要な課題の1つである。今回は、そのコールセンターに特化したコンサルティングサービスを提供している株式会社エクセプション代表の廣田由章氏に話を伺った。
~ 音楽とコールセンターは本質的に同じ ~
廣田氏は、元々ニューヨーク等で音楽プロデューサーの仕事をしていたという異質な経歴を持つ。
ミュージシャン、音楽プロデューサーとして活躍されていた中、知人からの誘いでコールセンターの品質管理の仕事を手伝うことになった。それまでコールセンターとは無縁の仕事をしていたが、「音楽プロデューサーをしていた時のスキームをコールセンターに応用してみたら、きれいにはまった」という。
一見、音楽のプロデュースとコールセンターは、全く無縁のものと思われるが、廣田氏は、両者とも実は本質的には同じことをしているという。「音楽の場合、演奏や音を耳で聴いて、歌をこうした方がいいとか特定の音をこうしようなど改善点を考える。しかし、それを威圧的にミュージシャンに要求してしまったら、彼らのモチベーションが下がってしまい、よい作品を創り上げることができない。ミージシャンの最大限の能力値を引き出すのがプロデューサーの仕事。これはコールセンターのトークにも当てはまる。オペレーターのトークをヘッドフォンで聴いて、いいところを伸ばし、良くないところはストレスをかけずモチベーションを高めて指導していく。」
音楽プロデュースとコールセンターの運営・品質管理に共通するものを見つけた廣田氏は、さらにいろいろな事例を研究し、音楽プロデュースで培ったノウハウをコールセンター用にアレンジをしていった。廣田氏固有の経験から、一見全く違うものに思われる音楽とコールセンターの共有するスキームから、これまでにはなかった、全く新しいアプローチが生み出された。 「コールセンターのコンサルティングというよりは、プロデュースが感覚的には近いです。音楽もコールセンターのトークも、全く同じことをやっていて、音が声に変わっただけで、どちらも空気が揺れて伝わるだけのもので、形のないもののクオリティーを高めるという同じ目的です」
その独自のスキームが実際の現場でどんどん証明されていく中、廣田氏はさらに精度を高めるため、
ストレスやモチベーションのコントロール手法や心理学も応用してクライアントに教えていったという。
その異質な手法へのクライアントからの評価が話題となり、その手法を事業化してみないかという声がかかり、現在のエクセプション社の設立に至っている。
~ 異端児コンサルタント ~
大手コールセンターのエージェンシーやコンサルタントたちは、廣田氏のその手法はかなり異質に感じるかも
しれない。それは彼らなりに長くコールセンタービジネスに携わってきたことからのプライドもあるのだろう。
しかし、廣田氏を選ぶクライアントは後を絶たない。
次のページ~ テクニックではなく「考え方」を教える ~
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