組織において、人が動いてくれる時とは? 人は、動かそうと思っても、そうは動いてくれません。 人に動いてもらいたいと思うなら、人が、是非動きたいと 思ってもらえるような仕組みが必ず必要です。 そうでないと、たとえ人が動いてくれたとしても結果を残せません。
◆この悪名高いフェイトの委員長に任命されてしまった筆者は、なぜ
これほどまでに人気がないのかの原因を探るべく、多くの日本人に聞
いて回ったところ、皆から一様に出てきたのは、「上から命令されて
やらされており、仕事のようで面白くない」「義務として仕方なくや
っている」という声であった。
◆そこで過去の仕組みを調べてみると、毎年、今年はどういう出し物
をするかを20名ばかりのフェイト委員会の中で勝手に決定し、それ
を、各企業毎に委員会が勝手に任命し、各企業の責任でもって、企業
単位で実行してもらうというやり方を取っていた。
◆例えば、M商事は焼き鳥、T自動車は着付け、といった具合である。
そうなると、各企業の支店長から、駐在員とその家族全員に参加する
ように大号令がかかるのであった。
◆特に駐在員らは、勤めている会社の企業人として、日本から遠く離
れた南アフリカで一心同体で動いている会社の命令に逆らえるはずも
ない。
◆また、もっと厄介なのは、大体が支店長夫人がここぞとばかりに陣
頭指揮をとることが多く、そうなると駐在員の奥様たちは震えあがり、
ますます断ることなど到底出来なくなる。
◆調査してわかったことは、「やらされ感」が蔓延していることであっ
た。 フェイトに関わる日本人の圧倒的大多数は、人間の欲求を5つ
に分類したマズローの欲求5段階説の低い次元で活動していた。
◆「安全の欲求(危険を避けたい。安心したい)」あるいは「所属した
い欲求(組織に所属したい)」という低次元の欲求を満たすために動い
ているだけであって、これではとても参加意欲が高まることはないとい
うことが見えてきたのである。
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■ 自由な発想で、創造的な取り組みを自主的にしてもらう
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◆参加意欲を高めて、満足して活動してもらうためにはどうすればい
いか? マズローの理論の一番高次元に位置する「自己実現の欲求
(創造的なことをしたい。自己を達成したい)」で動いてもらうには
どうすればいいか?
◆考えた末に至った結論は、今までと全く逆をしようということであ
った。 つまり、一切命令はしない。 参加するのもしないのも自由。
参加する場合は、一人での参加もOK。 グループでの参加も、企業
単位の必要はなく、好きな者同士で組んで参加してもOK。 出し物
も、自由な発想で企画し、実行してもらっていいとした。
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