~ サービスサイエンス的思考法でビジネスモデルを探る ~ 「顧客満足を向上させる」とよく言われますが、それを実践し、業績に繋げることは容易なことではありません。 特に、一般消費者に日々相対している小売業では、毎日が挑戦となることでしょう。 これからご紹介する事例は、「信頼感」「正直」というキーワードを元に、成長を続けているスーパーの事例です。
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■ 消費者熱狂! 日本一お客思いのスーパー 「オーケー」
━━━━━━━━ 情報ソース:12chカンブリア宮殿2009.08.03━━
◆以前の号で、実在の企業ではないが、故伊丹十三監督の「スーパー
の女」という映画に出てくる「正直屋」というスーパーを事例として
取り上げた。
◆スーパーの名前は「正直屋」。 宮本信子演じる主人公が、あると
き近隣にオープンした安売り日本一を歌い文句にする「安売り大魔王」
という後発のスーパーに客を取られてしまう時の奮戦記である。
◆そこに対抗するために、津川雅彦扮する幼馴染みの経営者を支えな
がら、お店の改革に着手し、やがて遠のいていったお客を見事取り戻
すというストーリーが描かれていた。
◆この架空の「正直屋」が、実際にあったのだ。 そのスーパーの名
前は、「オーケーストア」。 首都圏を中心に56店舗を展開し、イオ
ンやイトーヨーカ堂などの大手が赤字の中、10年連続増収増益の優良
スーパーである。
◆テレビの放映で観た筆者は、早速、新用賀店に出向いてみた。 一
見何の変哲もない普通のスーパーのように見えるが、店内は違ってい
た。 以前よく米国出張の際訪れていた、売上高40兆円、全世界で
八千店舗を展開する世界最大の小売ウォルマートの店内とそっくりだ
ったのだ。
◆陳列棚の上にも段ボールのままでうず高く積まれた商品の山。 販
売フロアーのスペースも在庫のために有効利用している。 また、至
る所に経営方針である「高品質・Everyday Low Price」の張り紙が張
ってある。 「Always Low Prices」を標語とするウォルマートとこれ
らのやり方は酷似している。
◆特徴1.「安さ」。 このスーパーでは、どの商品も5~6割引は当
たり前で、商品によっては8割引というものもある。 確かに安い。
スーパードライ350ml缶などは何と167円だ。
◆特徴2.「特売をしない」。 ウォルマートもそうだが、毎日が特売
だそうである。 特売をしないから、それを告知するチラシというもの
が無い。 代わりに、「オーケー商品情報」と呼ばれる価格表と入荷情
報が書かれた紙が店内に置いてあるだけだ。
◆特徴3.「品揃えが豊富」。 例えば、お味噌だけでも50種類あった
り、専門店にしか置いていないようなソースなどもある。 激安店にも
関わらず、品揃えが豊富なのである。
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