前回、前々回では、ゆでガエル現象というものとその兆候について書きました。 今回は、その兆候を察知した後、どういう行動論で脱出を試み、進化を続けることが出来るのかについて話してみたいと思います。 そのキーワードは、「共創モデル」です。
◆前回、前々回では、ゆでガエル現象というものとその兆候につい
て書きました。 多くの方から反響をいただきました。 その中か
ら一部をご紹介します。
◆「うちの会社の組織はゆでガエルどころか、固ゆでガエルでもう
手遅れだ」
「ほんとうに怖いですね。 自民党復活を希望する人は多いですけ
ど、4年後も、8年後もずっとムリでしょう。 なぜなら、若い人を
蹴落として、自分だけが熱湯の鍋の外に出た老人しか、残っていな
いからです」
◆御意見ありがとうございました。
今回は、その兆候を察知した後、どういう行動論で脱出を試み、進
化を続けることが出来るのかについて話してみたいと思います。
そのキーワードは、「共創モデル」です。
◆先日、物流塾という物流関係者の勉強会の合宿が鬼怒川温泉であ
りまして、その塾の座長の方からのお誘いもあり参加させて頂きま
したところ、基調講演で、山本眞人氏(需要研究所代表)の大変貴
重なお話を伺う機会がありました。
◆この方は、10年ほど前に「インターネット共創社会」という本を
出版され、人や組織が、何か価値のあるものを創り出す際の重要な
考え方として、「共創モデル」、つまり共に創り出す「コラボレー
ションモデル」の重要性を長年にわたり研究されている方でありま
す。
◆ところで、10月16日付日経朝刊一面にトヨタ自動車が、子会社の
ダイハツ工業と新興国市場向けの低価格で儲かる小型車を共同開発
するという記事が載っていました。
◆今までのトヨタの戦略は、先進国市場への中・大型車中心の販売
をターゲットにおいていましたが、これだけだとさすがのトヨタも
ゆでガエル現象の兆候を察知したのでしょう。 大きな戦略の転換
を決断したようです。
◆この事例などは、まさに「共創」の典型であると思います。
共にコラボレーションして、お互いの強み、弱みを強化・補てんし、
グループとしての総合力を生かして、共に新しい車を創造し、お客
に新しい価値を提供して、市場を獲得していく。
◆山本氏の「共創モデル」に戻ります。 「共創モデル」の基本は、
「フィールドワーク:調べる、探る」、「記録する」、「考察する」
、「表現する」のサイクルを回すことです。
◆どなたでも自分のフィールドというのはありますよね。 筆者の
場合ですと、新規事業開発分野やRFID(ICタグ)という分野でしょ
うか。 ダイハツですと、小型車市場での生産・販売ノウハウ、経
験などです。
◆フィールドワークを重ねて、「論理知」ではなく、「感覚知」を
用いて、顧客のフィールドにおける「本質」をつかむことが重要で
す。
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