人が動いてくれる時

2009.08.31

経営・マネジメント

人が動いてくれる時

三宅 信一郎
株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

組織において、人が動いてくれる時とは?  人は、動かそうと思っても、そうは動いてくれません。  人に動いてもらいたいと思うなら、人が、是非動きたいと 思ってもらえるような仕組みが必ず必要です。 そうでないと、たとえ人が動いてくれたとしても結果を残せません。

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■  人が動いてくれる時
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◆サービスにおいて高い顧客満足を得ようとするなら、それに携わる
サービススタッフが価値あるサービスを提供する必要がある。 その
ためには、スタッフ自身に、高い「従業員満足度」を持ってもらわな
ければいけない。

◆満足度が向上すると、従業員ロイヤルティが醸成されてくる。 そ
うなると継続的に業務を改善するために人は動き、結果として高い提
供価値を生み、お客様の満足度を向上させることになるのである。

◆どうすれば高い「従業員満足度」を持ってもらって人に動いてもら
うことができるのか? 筆者の一風変わった体験談から、そのヒント
を探ってみたい。

◆筆者は、商社勤務時代、来年サッカーワールドカップが開催される
南アフリカ共和国に5年ほど駐在した経験がある。 その際、駐在し
ている日本人ビジネスマンやその家族を中心に組織されている南アフ
リカ日本人会の委員をしていたことがある。 1997年当時は約650名
の日本人が南アフリカに在住していた。

◆この日本人会の主催で、毎年9月のある一日を使って、日本人学校
を借り切り、南アフリカのマジョリティである黒人、それに白人、ア
ジア人など国際色豊かな南アフリカ人の地元の方々を何千人と招いて、
ジャパニーズ・フェイトと称して、日本文化を紹介しながら地元の方
々との親睦をはかるという一大イベントをやっていた。

◆例年、日本人学校の教室や運動場を使って、着物の着付け、焼き鳥
の屋台販売、古本古着販売、ゲームコーナーなどを日本人が運営する。
その売上で得た収益金の一部を日本大使館と日本人会協同で、エイズ
感染した黒人児童施設など恵まれない施設などに、お金ではなく、教
育玩具や紙オムツなど、敢えて物品に変えて寄付をするということを
1980年後半から実施していた。

◆その目指すところの目的や理念はとても良いし、現地の方々にもそ
れなりに人気があるイベントなのだか、如何せん、毎年これに携わる
日本人には大変評判が悪かった。 

◆毎年フェイトの時期が近づいてくると、皆モチベーションやテンシ
ョンが下がりまくり、憂鬱な気分になって、巷では、「またフェイト
か。 面倒くさいなー。 出来ればやりたくないなー。 勘弁してほ
しいな―」という意見が至る所に散見するという始末であった。

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三宅 信一郎

株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

事業力強化・新規事業開発・創業支援コンサルタント 自動認識基本技術者 (JAISA:(社)日本自動認識システム協会)認定

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