外部環境が激しく変動する今、経営者が直面している最大の課題は、実は「外」ではなく「内側」にあります。どれほど優れた戦略を掲げても、その戦略が実行されるかどうかは、組織の文化、意思決定の仕組み、人材の活かし方といった内部環境によって大きく左右されるからです。 だからこそ経営者は自社の内部環境を見つめ直し、アップデートしていくことが求められます。内部環境を変えない限り企業は変わりません。その中心にあるのがコーポレートカルチャーです。
外部環境が激しく変動する今、経営者が直面している最大の課題は、実は「外」ではなく「内側」にあります。どれほど優れた戦略を掲げても、その戦略が実行されるかどうかは、組織の文化、意思決定の仕組み、人材の活かし方といった内部環境によって大きく左右されるからです。
だからこそ経営者は自社の内部環境を見つめ直し、アップデートしていくことが求められます。内部環境を変えない限り企業は変わりません。その中心にあるのがコーポレートカルチャーです。
硬直したコーポレートカルチャーこそ、最大の経営リスク
デフレが長く続いた結果、経営を預かるメンバーの思考、組織自体も硬直してしまった企業も少なくありません。デフレ環境では「Cash is king」となり、投資よりも手元資金を守る姿勢が強まります。また、「褒められたい」よりも「叱られたくない」というバイアスが働きやすく、目立つ行動よりも無難な選択を好むようになります。
そもそも日本では、波風を立てずに真面目に仕事をする人のほうが評価されやすい傾向があります。山本七平さんの名著『「空気」の研究』でも指摘されているように、日本は「空気」を重んじる文化なので、コーポレートカルチャーが組織運営を大きく左右しやすい。このカルチャーが「変わりたくない」というコンサバティブマインドだと、プライム企業であっても官僚組織のように動きが鈍くなり、企業収益をマイナスに引っ張る要因になりかねません。さらに、リスク回避やコストカットを優先するあまり、意思決定が遅れてしまう。こうした挑戦よりも安定を求めるコーポレートカルチャーが蔓延すると、挑戦にブレーキがかかってしまいます。外部環境の変化がかつてないスピードで進む今、こうした組織風土の違いこそが、企業の競争力を左右する最大の要因になりつつあります。
「守る」から「勝つ」へ
今こそ変革のアクセルを踏むべき時
変革とは、今のやり方を手放すことでもあります。既存のやり方にメスを入れることで、反対意見や摩擦が生じ、トップが明確に変革を意思表示しないと、執行役員や中間層が改革を進めようとしても途中で止められてしまうこともあります。上からも下からも支持が得られない状況では、改革を主導する人が孤立し、意欲を失いかねません。こうした構造こそが変革を難しくしている大きな要因なのです。
まずは、長年染みついたデフレ志向から脱却しなければなりません。「変わりたくない」というコンサバティブマインドのコーポレートカルチャーを持っていると認識したなら、「勝つために変わる」というアグレッシブマインドへ転換することが必要です。守りに入るのではなく、「守るものを捨てる覚悟で変わっていく」カルチャーへと移行する。その転換点が、まさに今です。今を逃せば、変革のチャンスは再び訪れないかもしれない。今稼がず、今変わらずして、いつ令和モデルへ転換するのか。それくらい強い追い風が吹いているこのタイミングを逃してはなりません。インフレに入った今、本気で泳ぎ切った人が勝ちなのです。
今、経営者は何をすべきか
2026.02.13
2026.03.09
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長
1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。
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