今回は、「ガチンココーチ」の異名をとる、ビジネスコーチ社の泉一也氏にお話を伺います。
そのリアルなコーチングは、どのように進めていくのですか?
まず「組織を活性化する手法を勉強しましょう」と始めていきます。お勉強なら、みんなとりあえずは気楽に入ってこられるからです。入り口でお勉強をやり、他社の事例なども紹介して見せて、
「では、みなさんの組織はどうですか?」と問いかけます。
「まず隣同士、雑談程度でいいので話してみましょう」と促し、
「どんな話がありましたか?」と聞いていく。
すると、大抵、全員の前では、建前を話し始めるので、そこに“突っ込み”を入れて“笑い”を巻きおこしながら、少しずつ本音の話を引き出していきます。笑いは、固くなった心を緩めるためのトリガーになります。
そのあと、みんなのバラバラな問題意識のすり合わせの場を作っていきます。そうするとほとんどの場合、
メンバーのやる気が出ないのは、「コミュニケーションが悪い」という結論になります。この結論に至るまでの、対話と共有のプロセスが極めて大切です。
では次に、どうやって改善の道筋を作るのか。「みなさんがそれぞれの先入観=思考の枠にはまってコミュニケーションをとると、このように問題が起こってしまいします。今日は、みなさんが、“これが正しい”を一旦脇に置いて対話を重ね、お互いが共感し共有できる事項を作っていきましょう」って進めていきます。思考の枠にとらわれないような、ルールを作り、ゲームをしながら、どんどん深い話に入っていきます。
「ここまで話してみて、私は“言えない話”があるように感じました。 私は多くの会社を見てみましたが、このままほっておくと、大変な事態に成りかねませんよ。今が言うチャンスです。表面的な話は去年もしたんじゃないですか?」
という感じで、だんだんガチンコになっていきます。
中には、ネガティブな態度を崩さず、ずっと批判的な人もいるのではないですか?
「泉さん、こんなことやってどんな意味があるんですか。こんな時間があったら他のことやった方がいいよ」
みたいなネガティブ意見が出てくるケースは多々ありますよ。でも逆に、こういった発言が出てきたら、チャンスです。本音が出てきた証拠。そしたら、「いい意見が出ましたね。では何をすればいいと思いますか?他の方もこの意見についてどう思いますか?」と聞いていく。「今この場は必要か必要でないか?必要ないなら今すぐやめましょう。時間もお金も、もったいない。お金も返しますよ。」と究極の質問をする。そうするとこれまで溜まっていた本音がジワジワと出始めます。中には最後までネガティブなことを言い続ける人もいます。そんな人には「どうぞこの部屋から出てってください」っていうこともあります。でも実際にそれで出て行った人は今まで一人もいませんが。
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