顧客ニーズを重視するマーケティングと資源的な制約を受ける運営の管理が対立する場面は多い。両者をいかに調和させるのか?企業の姿勢や態度が問われる。
顧客主義を標榜する企業でも、社内では顧客の分類(セグメンテーション)や顧客の絞り込み(ターゲティング)がおこなわれていて、全ての顧客を相手にしているように見えても中核となる顧客層があるものである。特定の製品・サービスを求める顧客、特定の価値や便益に対する顧客ニーズ、あるいは特定の地域の顧客など、何らかの基準によって対象となる顧客は特定される。
人材や資金などに限りがあるため「顧客を選ぶ」という行為が必然的に行われる。中核となる顧客層から外れる人々のニーズが最も満たされることはないだろう。経営資源の制約、あるいは、経営戦略や事業計画との関係で、顧客の要望に100%応えることは、短期的には不可能である。顧客側には、同じ品質の製品であれば、もっと安く売って欲しい、出来れば無料にして欲しいという思考が働いている。企業側には、製品やサービスをより高く評価してもらえる顧客を尊重したいという意向がある。
しかし、中核となる顧客やファンだけを大切にすれば良いかと言えば、そうでもない。多様な顧客、異なるニーズを持つ顧客を満足させられるだけの柔軟性や創造性が必要である。柔軟性や創造性を実現するための経営的な努力や創意工夫が、時代や社会の変化とともに移り変わる顧客ニーズに適合し続ける原動力になる。
顧客ニーズを重視するマーケティングと資源的な制約を受ける運営の管理が対立する場面は多い。両者をいかに調和させるのか?企業の姿勢や態度が問われる。顧客の希望に100%応えるための具体的な行動が必要である。
【V.スピリット No.17より】
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