マーケティングにはいくつかの手段があるが、その活動は価値の創造と価値の伝達に集約されるようである。
90年代半ばにアメリカに1年間留学した時にマーケティングについて初めて勉強した。その時「マーケテインングの4つのP」という言葉を知った。それ以来、私の頭の中に「マーケティング=4つのP」という方程式が定着している。4つのPとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(チャネル・流通)、Promotion(訴求方法)の頭文字をとったものである。これらはマーケティングを行う企業などにとって重要な概念である。
ベンチャーのマーケティング支援の仕事などを通して4つのPについて私なりに理解を深め、消化してきた。マーケティングにおいて重要なのは4つのPの中でも Product と Promotion だと、現在、考えている。これらを「マーケティングの2つのP」と呼ぶのは味気ない。少し違った言葉で表現してみたい。顧客にとっての製品の価値や便益、製品の基本形、顧客の期待、付加価値、さらには製品の潜在的可能性などを総合的に備えたモノを Complete Product(完全製品)と呼びたい。また、そのような完全製品を作るための顧客や潜在顧客に対する調査・分析、製品の広告宣伝、販売、製品の完全性を高めるためのサポートなどを Communication(意思疎通)と呼びたい。これら2つの要素の頭文字をとって「マーケティングの2C」と呼ぶことにする。
完全製品の創造と顧客や潜在顧客との対話、そして、これらの統合管理がマーケティングにおいて不可欠である。
製品の価格は、製品の属性や製造のための費用、また、顧客の心の中にイメージが築かれる過程で実行されるコミュニケーションなどとの関係で決まる。価格は2Cの両方の要素に関わる。また、どこで販売するのか、どんな販売の仕方が良いのかも2Cの両方の要素に分けて考えられる。
マーケティング活動は、完全製品の創造とコミュニケーション、つまり、マーケティングの2Cに集約されるようである。
※マーケティングの2Cとは、ワイルドベアコーポレーションが考案したマーケティング用語です。Complete Product (完全製品)、または、Creation of the Complete Product (価値の創造)と Communication (価値の伝達)をマーケティングの2Cと呼びます。
【V.スピリット No.19より】
V.スピリット 総集編
2008.06.19
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