「開けてびっくり玉手箱」方式では会議の生産性は上がらない

画像: MACo Board of Directors Meeting

2023.08.23

経営・マネジメント

「開けてびっくり玉手箱」方式では会議の生産性は上がらない

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

ミーティングのその場もしくは直前に資料を配って説明から始める「開けてびっくり玉手箱」方式では、いつまで経っても生産性は上がらない。責任者はそう認識する必要がある。

弊社が主導するコンサルティングプロジェクトでは、クライアント側のプロジェクトメンバーにも色々と役割を分担してもらうのが普通だ。その中の会議で、検討結果もしくは調査結果を短めの資料にまとめて報告していただくことがよくある。

その際には一つのルールを守っていただくことをお願いしている。それは「開けてびっくり玉手箱」方式はダメなことだ。オンラインでもオフラインでも共通する。

「開けてびっくり玉手箱」方式とは何か。直前まで討議用資料を配らず、会議の場で初めて目にする他のメンバーに対し資料の説明から長々と始めるという、悪い「お作法」のことだ(この命名は、依頼された趣旨を誤解したまま担当者が見当違いの資料を作成してしまい、会議当日その場で「違うじゃん」というのが判明したことから来ている)。

往々にして、資料説明とその内容確認のための質疑応答だけで大半の持ち時間を使ってしまい、肝心の中身に関する検討や、そこからの示唆や打ち手についての議論は深まらない。結果として「次回の会議にて改めて議論を続けましょう」といったオチになることすらあり得る。

本来どうあるべきか。小生が主導するプロジェクト会議では必ず、会議資料は事前に関係者間で共有しておく(プロジェクトメンバーならアクセスできるクラウドに放り込んで共有通知しておく)。事前といっても直前では意味がない。十分な余裕を持って事前に「予習」しておけるよう、通常は遅くとも前日には共有しておく。

そうしておけば、会議参加者は事前に資料を読み込んで(少なくとも一読し)疑問点や要確認点があればそれを頭の中かどこかにメモし(小生の主催する会議では、単純な確認の質疑応答は事前にやり取りすることを奨励している)、自分なりの意見を持って会議に臨むことができる。

すると討議のレベルが格段に上がるので、意思決定の質とスピードが段違いによくなる。質問のレベルすら確実に上がる。「開けてびっくり玉手箱」方式だと往々にある「少し先まで待てば説明される事柄」に関しお手つき的に質問がなされるといった、余計な時間を取られることもほとんどなくなる。

多くの人の都合を調整して折角集まった会議で、生産性の低いことに時間を浪費されることが減るということがどれほど有意義か、是非考えていただきたい。

この通り、「開けてびっくり玉手箱」方式というのは実に生産性の低いやり方だ。しかし世間には流布しているとみえ、小生が初見参のクライアントであるとか、既存クライアントでも説明者が初顔合わせで、小生がうっかり事前注意を忘れていたりすると、この「お作法」をお披露目してくれることが度々ある。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。                     ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/                 ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/     

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