「オフィスにおける労働生産性を向上させるために必要なこと」シリーズの第五弾は会議そのものの改革だ。
大企業の場合、「会議の基本」を押さえるだけでオフィスにおける生産性を10%超ほど上げることは難しくない。なぜならオフィスワーカーの仕事の半分以上は会議とそのための資料作成だから。
「会議の基本」とは(多分、多くの書籍でも書かれていると思うが)、①会議のアジェンダとゴールを定めること、②上手なファシリテータを選ぶこと、③最後にラップアップする(決まったことや「宿題」とその担当者・期限などを確認する)こと、④議事録を作成・回覧すること、辺りがオーソドックスなところだ。
ちなみに小生の主催する新規事業プロジェクトのミーティングでは、アジェンダとゴールはあらかじめWBSによって決まっているので毎回のミーティングではいちいち告げないことが多い。また議事録はあまり利用せず、どんどん成果物(分析や企画書など)を共有するパターンが多い。
つまりこの「会議の基本」にも応用・例外はあるということだ。しかしながら通常の会社内でのミーティングでは、この「会議の基本」を踏襲していいのではないか。
上記の「会議の基本」に是非追加すべきなのは、⑤ドキュメントなどをプロジェクタや大型ディスプレイ等に映して、その時その時の議論の対象を共有(可視化)することだ。
さすがに絶対少数派になってはいるようだが、ボスが超アナログ人間ゆえに印刷した資料を配布するだけで議論をする組織がいまだこの世には残っていると聞く。これでは「どの部分を指して言っているのか」という話が食い違いかねず、非効率極まりない。
そして「会議の基本」にさらに追加して欲しいのは、⑥ホワイトボードを使うことと、⑦そもそも会議に呼ぶ人間を限定することだ。いずれも過去にコラム記事に書いたことがあるので、詳しくはそちらを参照して欲しい。あまりに基本的なことなので今さらだが、敢えて強調したい。
なお、⑥は先の⑤と同じく議論の対象を可視化する手段の一つであり、少し複雑な議論の際に「空中戦」を避けるのに有効なのだが、若い人たちの中にはホワイトボードを使わないで議事録的メモ書きをディスプレイに映せばよいと考えている向きもあるようだ(コンサルタントでもそんなアホなことを言う連中が現れてきた)。しかしそれでは図を使った議論ができず、概念など互いの思考を共有化することは難しい。よく考えて欲しい。
業務改革
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
パスファインダーズ社は少数精鋭の戦略コンサルティング会社です。「新規事業の開発・推進」「既存事業の改革」「業務改革」の3つを主テーマとした戦略コンサルティングを、ハンズオン・スタイルにて提供しております。https://www.pathfinders.co.jp/ 弊社は「フォーカス戦略」と「新規事業開発」の研究会『羅針盤倶楽部』の事務局も務めています。中小企業経営者の方々の参加を歓迎します。https://www.pathfinders.co.jp/rashimban/ 代表・日沖の最新著は『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』。本質に立ち返って効果的・効率的に仕事を進めるための、でも少し肩の力を抜いて読める本です。宜しければアマゾンにて検索ください(下記には他の書籍も紹介しています)。 https://www.pathfinders.co.jp/books/