多くの企業で65歳まで働くことができるようになり、企業の努力義務とはいえ「70歳就業法」(高年齢者雇用安定法の改正)も施行され、60歳定年時代に比べれば、より長く働けるようになってきたのは事実だ。 企業の努力目標である「70歳就業法」に甘えることなく、70歳までは確実に現役時代と同様に稼ぐことが必要であり、そのためのスキルと能力を維持、あるいは開発する必要があるだろう。
多くの企業で65歳まで働くことができるようになり、企業の努力義務とはいえ「70歳就業法」(高年齢者雇用安定法の改正)も施行され、60歳定年時代に比べれば、より長く働けるようになってきたのは事実だ。
しかし、60歳になったとたんに再雇用となり、いきなりこれまでの給与の半分~3分の1になったという声も聞く。さらにまともな仕事も与えられず、雑務をこなすだけの毎日を過ごしている人も少なくない。
一方で、人はますます元気になり、寿命は延びている。人生100年とはいかないまでも、現在の60歳の人の平均余命は男性で約24歳、女性で約29歳、つまり、平均寿命よりもかなり長い期間生きることになる。
これを考えれば、「老後は公的年金に加えて約2000万円必要」と言われたが、実際はこれだけ長生きするのであり、必要なお金はそれどころではないというのが容易に想像つく。
そうなると、投資が成功し、将来にわたって利回りでの生活が計算できる「FIRE」な人、あるいは大企業を勤め上げて数千万以上の退職金を手にした人は問題ないが、大半の人は、企業の努力目標である「70歳就業法」に甘えることなく、70歳までは確実に現役時代と同様に稼ぐことが必要であり、そのためのスキルと能力を維持、あるいは開発する必要があるだろう。
バランススコアカード(BSC)で「from 60戦略」を立てる
多くのビジネスパーソンは、40歳を超えるぐらいからは、ほとんど自分のスキルについては現状で諦めてしまい、伸ばそうという姿勢を持つ人は、本当に少なくなる。ましてや60歳ともなると、自分のなかで「できる、できない」がはっきりし、「自分にできることが残っているだろうか」と不安になる人も多いだろう。
60歳が近づくなかで、自分の能力、スキルを見直すことは、簡単なことではないが、スキルを伸ばすことに諦める必要はまったくない。むしろ、多くの人脈を活用することで、できる範囲は広まっていることのほうが多いはずで、自分ができる仕事は確実に増えている。
早いにこしたことはないが、50歳を過ぎていても、60歳になっても、周囲の期待に対して自分の能力開発の、バリューチェーン開発にトライすることはとても大事なことだ。
そのために有効なツールのひとつが、「バランススコアカード(BCS)」だ。「バランススコアカード(BCS)」とは1990年代前半、ハーバード・ビジネス・スクールのロバート・キャプラン教授と、コンサルティング会社のデビッド・ノートン氏によって開発された経営管理手法で、従来の財務指標だけに基づくだけではなく、非財務指標である顧客価値や業務プロセス、学習・育成を取り入れたものだ。
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