クレイトン・クリステンセンのイノベーション理論、いわゆる「ジョブ理論」は、大企業のイノベーションの戦略策定にとどまらず、私たち個人のブランディング、パフォーマンス向上にも非常に役に立つ概念だ。
そもそも、ターゲットの仕事は何かをつかむのはとても難しいことだ。単なるアンケート調査や簡単なインタビューでつかめるものではないだろう。
「意図的戦略」と「創発的戦略」を組み合わせる
もうひとつ、『イノベーションの解』で紹介されている、「意図的戦略」と「創発的戦略」を組み合わせるということも大切なことだ。誤解を覚悟で言えば、「論理的な戦略」と「感覚的な戦略」とも言えるだろう。
戦略と呼ばれるものの大半は、調査データや結果数値から、机上で導き出された「論理的な戦略」だろう。ロジカルだけに、説明がしやすく、納得感も得られやすい。セルフブランディングにおいても、自分自身が納得しやすいという面がある。
逆に、現場で働く人であれば、誰でも感覚的に「こういうのが面白いのではないか」と感じることがある。しかし、論理的に説明できないし、事業プランとしてまとめることもできないという状況だ。上から戦略を説明されても、何か納得できないが、しかたなく従うという感覚か。
セルフブランディングでは、こういうことばかりだろう。自分で感覚的につかんでいるのだが、説明できないので、自信が持てないという状況だろう。クリステンセンは、この「意図的戦略」と「創発的戦略」を組み合わせることが重要だという。
2020年に帰らぬ人となったクリステンセンだが、氏の功績はビジネス界だけにとどまらない。コロナで一変した今、改めて求められているのではないか
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セルフブランディング
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