サービスをタイプに分類してみると、差別化のポイントや努力の仕方を明確にすることができます。自社のサービスのタイプと、努力ポイントが合致しているか、いまいちど見つめ直してみましょう。
他の産業でも、3つのバランスが大事
今回の例は農業でしたが、他にも3つのサービス要素をバランスよく取り入れている産業(携帯電話・ゲーム機・自動車など)は、どれも元気の良い産業ばかりです。
他にも例えば、小売サービスでは、店舗に製品を並べるだけでなく、製品を実際に使って楽しめるプレイルームやカフェスペースなどを提供することで、購入前に製品の魅力を実感できる工夫をしているケースがあります。これは、「モノ提供サービス」に「快適提供サービス(楽しさ提供)」を加えたサービス強化と見ることができます。
また、製品を販売するのではなくレンタル化する取り組みは、「モノ提供サービス」よりも「快適提供サービス」の方に価値をシフトするサービス強化と捉えることができます。もちろんこのとき、レンタル製品を活用した付加価値情報の発信など「情報提供サービス」が極めて重要になります。
このように、様々な産業において、たった3つの視点でサービスビジネスを見つめ直すだけでも、十分に価値ある気づきが得られます。サービスメニューの3大分類「モノ提供サービス」「情報提供サービス」「快適提供サービス」を自社に照らし合わせてみて、バランスの悪い部分が見つかれば、そこに付加価値向上のチャンスが見つかるのではないでしょうか。
service scientist's journal(サービスサイエンティストジャーナル)
2017.04.04
2017.04.11
2017.04.18
2017.04.25
2017.05.02
2017.05.09
2017.05.16
2017.05.23
2017.05.30
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新