顧客満足向上(CS向上)は、多くの企業で取り組まれていますが、苦戦していることも多いようです。しかし一方で、顧客満足向上で大きな成果に繋げている企業では、顧客満足やサービスの本質を理解して、組織的なレベルアップに取り組んでいます。そこで今回は、サービスサイエンスの観点で成果を出すための顧客満足の取り組み方を明らかにしてみたいと思います。
あるいはこんなケースもあります。同じく5段階評価(1点:不満~5点:大満足)で顧客満足度を調査して、「4:やや満足」と「5:大満足」を合算して、「満足度90%以上を目指そう」と取り組んでいる。しかしその結果、満足度の向上の中身の大半が「やや満足」の増加だとすると、これではやはりリピートオーダーは増えません。
つまり、顧客満足度の平均値や合算値で議論して取り組んでも、リピートオーダーの増加には直結しないのです。では、どうするべきか?
それは、やや満足(4点)と答えたお客様を特定して、そのお客様に大満足(5点)になっていただくためには何をすべきか、という点にフォーカスして議論することです。そうすることで、平均値を見ながら議論するよりも、はるかに効果的で具体的な取り組みができるのです。
このように、顧客満足とリピートの相関関係を、少しだけロジカルに理解してみるだけで、顧客満足向上の盲点が明らかになりました。顧客満足度調査の結果の分析は「やや満足」に着目する必要があり、顧客満足向上の目標は「大満足あるのみ」である。このポイントを踏まえて、今までのやり方を変えることで、リピートオーダーを増やすことができるかもしれません。
さて次回は、さらにもう一歩踏み込んで、「やや満足のお客様に大満足していただくためにはどうしたら良いか?」を議論するにはどうしたらよいのかについて、触れてみたいと思います。
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service scientist's journal(サービスサイエンティストジャーナル)
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松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新