経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
「1.」を噛み砕いて言うと、顧客が感じる価値、コストに比較した便益、に対する貢献が大きいプロセスは大事で、そのプロセスに対して貢献する有形、無形の資産、リソースも大事であると言える。それが希少な時、企業は競争優位を獲得すると読めます。
そして、「2.」は、そのリソースを代替したり、そのまま真似たりすることができないなら、その競争優位は続くと言っていますね。
これならすんなり行くんですけどね。
たとえばね、価値があるというのがバリューチェーンではない、最終的なお客さんが感じるコストと比べた便益ではないとしましょう。
たとえば、企業間市場で評価される資産だとすると、やや歪むイメージが湧きますよね。
なぜ歪むか?
正確にお客さんが感じるコストと比較した便益を自社の資産に反映させることが難しいから、ですよね。そうすると、バリューチェーンの考え方だとしても、事情は同じということになってきます。
まあね、これが簡単にできたらブルーオーシャン戦略がすぐに立てられますよね・・・。
コア・ケイパビリティの設定のプロジェクトでコンサルタントがお金を貰えるわけですから、そりゃあ、簡単ではないし、間違えます。
簡単に言うと、「強みを発見するプロジェクト」なるものが存在するわけですから、フレームワークがあったとして、そんなに簡単に強みなんて決まりません。
これがSWOT分析の厳しいところとも言えるでしょう・・・。どうやって中小企業が何のノウハウもなく強みを決められるんでしょうね?と聞きたくなります。標準業務のようなものを細かく提示して、主観的にやって決めるアプローチを勧めるコンサルタントもいるとは思いますけど、バリューチェーンは業界ごとに違いますからね・・・。価値への貢献の規定だけでも、「あら大変!!!」となります。
強みの規定が終われば、SWOT分析なんて終わったようなもんです。なぜかと言えば、バリューチェーンを活かせるものが機会、バリューチェーンを脅かすものが脅威だからですし、弱みというのは強みの選択もしくはありように対して裏側にあるものだからです。
前にも書きましたが、ブルーオーシャン戦略で使う戦略キャンパスがあります。「折れ線グラフにするのはバリューチェーンを改変することがばれるのが嫌だから」という穿った見方を私はしています。だから嫌われるんですね。はい・・・。
それでね、戦略キャンパスでは、顧客への価値提供に対して、貢献が大きいものは残し、貢献が小さいものは削れと言っていますね。ただ、全部大きく貢献することは論理的におかしいですし、価値の大きさは価格に対して一定になってくることは容易に想像がつきますから、大きく貢献する部分というのは、どういう特徴の商品かということと同義です。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。