経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
経験曲線以前は戦略は定性的に企業のやりたいことをどう実現するか?ということが主要な論点だったが、経験曲線以降、戦略は正しい分析によって収益を上げる方策を含むものとなった。
おはようございます。伊藤です。今日も元気です。
今日はシンプルなのでわかりやすいかと思います。なんせ経験曲線ですからね。基礎中の基礎です。大丈夫です。誰でもわかります。
経験曲線のような知見が出てからは、環境の分析、知見の発見、知見を利用した収益の向上という一連の流れがありえることがわかってきて、ちゃんと環境を分析しましょうということに力点が置かれるようになったわけです。このことに自覚的な人とそうでない人が作る戦略には違いが出るでしょうね。
要は、いまだにドラッカーやレビットと言っている人と、それ以降の人では根本的に考え方が違うんです。
アンドルーズもそれ以前に属しますので、SWOT分析もそれ以前の枠組みなんですけどね。経験曲線以降を統合してまで使うもんでもないと思うのですが、みんな使いたがります・・・。ひどいものになると、全社戦略で使おうとしますが、複数事業展開時にSWOT分析を使った施策立案とかやると、事業ドメイン、ドメインを構成する価値複製システムの持続可能性に対して齟齬が出るんですけどね。
そのあたりはエーベルがだいぶ前に指摘していたと思いますが、今日は置いておきましょう。
それでね、経験曲線って何?という人のために簡単な解説を致しましょう。
メーカーのお話ですが、累積経験量が増えると、効率的に生産できるようになり、生産量あたりのコストが低下していくというものです。だから、たくさん作っている会社の方がコスト競争力が強くなる。そうすると、強い者はますます強くなるということです。
アナログにイメージがしやすい知見ですし、グローバルにモノを売るメーカーが巨大化した1960年代から1970年代に経営分野においてよく引き合いに出されたことはよくわかります。
ただ、怪しい部分を言えば、1つの工場規模が大規模化する時にもたらされる効率の向上に依拠している面もあるんじゃないか?というところでしょう。それは従業員の習熟みたいなアナログイメージとは少し違うのでは?という疑問ですね。
それと、もう1つの疑義があります。
アルミニウムの精錬工場では経験曲線がそれほど働かないことが知られています。そりゃあ、アルミニウムは電気を食いまくるものなので、電気を効率的に作れないといけませんが、電気の生産を考えると、そういうのは無理そうな気がします。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。