経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
経済的価値と社会的価値を同時に実現する共通価値の戦略の枠組みを導入することによって、ユニークな価値を発見し、バリューチェーンの生産性を上げ、地域社会から外部経済を得られるようになり、企業は持続的な競争優位を築き、経済的価値を得ることが可能となる。
さて、お久しぶりです。伊藤です。今日も元気です。仕事にかまけて、こちらで書くことをおろそかにしていました。きっと、私の存在など忘れ去られていると思います。でも、めげません。元気です。頑張ります。私は生きています。
それで、CSVについて今日は書いてみます。
「共通価値の戦略」というやつですね。ポーターの考えの中ではいたく評判が悪いと言うか、ヤキが回ったんじゃないかと言われたりとか、矛盾があると言われたりとか、いろいろいわくつきの考え方です。が、それは気にせずCSVにおけるポーターの主張を見ていきましょう。
文献はHBRのポーターの特集号、「戦略と競争優位」に拠っています。特に「共通価値の戦略」を参照しています。念のため、言っておきます。
それでね、このCSV、共通価値の戦略はそれまでのポーターの考え方と違うのか?と言うと、私はあまり違わないと思います。ただ、違うと読みたがる人が多いと思っています。違うと読みたがる人はそれまでのポーターを全く理解していないんだとも思いますけどね。
ポーターの考え方は、収益性の高い業界において、ユニークな価値システム、特別に調整されたバリューチェーンを構築することで持続的競争優位を築くというものです。
意味がわからないかもしれませんが、「そんなもんなのかな」ぐらいで読み進めてください。
それでね、ユニークな価値システムを構築するためには、ユニークな価値を規定しないといけない。でも、それはけっこう難しい。当たり前の価値しか普通の企業は規定できていない。
しかし、CSVのアプローチでユニークな価値が規定しやすくなるとポーターは言っています。
それでまず、価値って何?というところからです。価値とは、コストと比較の中での便益のことです。
便益とは、ニーズをターゲットから見た意味合いのことです。
この時点で意味不明ですね。絶望的な気分になりますが、頑張りどころですので、しっかり見ていきましょう。
まずね、みなさんが大好きな例で行くと、「お客さんはドリルが欲しいんじゃない、穴が開けられれば手段はなんでもいいんだ!」というレビットの有名なやつがありますよね。
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経営戦略構文100選(仮)
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。