二十四節気のひとつ「清明(せいめい)」です。つばめがきて、雁が帰る季節になりました。各地で桜が見ごろを迎え、新社会人たちがあちこちで群れを作る春本番がやってきました。
今日、4月4日は二十四節気のひとつ「清明(せいめい)」です。
読んで字のごとく、万物が清々しく明るい季節です。今日から次の穀雨(こくう)までの約2週間、この明るいときが続きます。この期間の七十二候に「玄鳥至(つばめいたる)」「鴻雁北(こうがんきたす)」があります。つばめが南から来て、雁や鴨が北へ帰っていくということですね。そして木々が芽吹き、花を咲かせます。ちょうど桜も見ごろを迎え、お花見シーズンになります。
桜が咲くとざわざわするのは日本人の証でしょうか。日頃は、見向きもされず、人影もまばらな公園でも桜が咲けば、雨後の筍のごとくに人が集まります。「桜の名所」と呼ばれる場所は交通整理の警官が必要になるほど、大量の人がやってきます。あちらこちらに桜の街路樹が植えられていて、ただ道を歩くだけでも花見ができます。文字通り日本中が桜色に染まるのです。
各地の「桜の名所」は数えきれないほどありますが、多くの名所がお城や水辺にあります。お堀ばたや堤防に桜を植えようと考えた人は偉大だとよく思います。特にソメイヨシノは水辺に枝を伸ばし、水面に花影を落とすことでその華やかさを倍増させます。若木を植えるときにここまで成長した姿を想像できなければ、この植え方はされなかっただろうと思うと、長いスパンで物事を考えることの大切さを感じるのです。
清明には、櫻以外にも次から次へと花が咲きます。生き物たちも活発に活動をはじめます。学校を卒業して社会に出たり、新天地に挑戦したり、この時期に人生の転換期を迎える人もたくさんいます。
あちらこちらに新社会人の群れを見かけるのも、清明の風物詩ではないでしょうか。毎年、あの着慣れないスーツ姿やちょっと緊張したような戸惑ったような笑顔や、新人同士で群れてしまう習性に思わず微笑んでしまいます。ひとめで新社会人だとわかる初々しさが見られるのも、桜と同じくらい短い期間だけなので愛しさもひとしおです。
いっせいに咲いて、あっという間に散ってしまう桜の儚さをきらいだという人もいますが、何をどう感じるかは人それぞれです。桜をいさぎよいと思うのも、さびしいと思うのも、この木に人間を、ひいては自分自身を重ねて見ていることに変わりはありません。だからこそ、桜は多くの人の心をざわめかせる存在なのかもしれません。
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