ミミにいちばん!オーケストラの日です。オーケストラ音楽に親しみ、オーケストラをもっと身近に感じていただくきっかけとなってほしい記念日です。
今日、3月31日は「オーケストラの日」です。
一人でも多くの方がオーケストラ音楽に親しみ、オーケストラをもっと身近に感じていただくきっかけにと、日本オーケストラ連盟が制定しました。日付は、3(み)、3(み)に1(いちばん)の語呂合わせです。全国33のプロ・オーケストラでは、それぞれの地域で工夫を凝らしたイベントを行います。
オーケストラで思い出すのが、去年公開された映画「マエストロ!」です。さそうあきら氏の漫画「マエストロ」を映画化したこの作品はスポンサー企業の経営難で解散した名門オーケストラの再生の物語でした。団員それぞれの抱える事情、才能とプライド、個性の強い団員のぶつかり合い、そして、団員を罵倒する異色の指揮者。それでも、この指揮者によってオーケストラの演奏は驚くほど変わっていきます。
指揮者の役割はまず、楽譜を元にどんな音楽をつくり上げるかを考え、それを演奏家たちに伝えて演奏に結びつけてもらう演出家、監督であることにあります。指揮者の考える通りに演奏してもらうためには、才能と個性にあふれる演奏家から信頼されなければ成り立たない仕事です。指揮者には、演奏家といかにうまく心を通わせることができるか、という能力が求められることになります。前世紀的な横暴な指揮者はもう流行らないのではないでしょうか。
それにしても、指揮者の存在は不思議です。実際に自分が音を出すわけでもないのに、指揮者の指導力によって、同じオーケストラの音がみるみる変わってしまいます。
これはオーケストラではなくブラスバンドの話ですが、以前、あるNHKのぶっつけ本番の旅番組で、指揮者佐渡裕氏がふらりと訪れた高校のブラスバンドの指導をするというエピソードがありました。ほんの短時間、佐渡氏の指導を受けただけで、彼ら彼女らの目の色がみるみる変わり、指導後の演奏は驚くほど上達していてとても感銘を受けました。これが世界的な指揮者の力なのです。
印象的だったのが、音楽を前にした時の佐渡氏の真剣さでした。それが会ったばかりの高校生ブラスバンドであろうと、ベルリンの由緒正しい名門オーケストラであろうと、変わりなく真剣に向き合う姿勢。熱血指導。そして、音楽を離れたときの分け隔てなく、誰にでもにこやかに応対するコミュニケーション力。この情熱と人を魅了する人間力が指揮者の条件なのかもしれません。
たくさんの個性的な人々をまとめあげて何か一つの作品を仕上げる、成果を上げる。オーケストラに限らず、いろいろな分野で同じこと言えるような気がします。真意を語らずメンバーを罵倒する指揮者より、人間力、コミュニケーション力の高い指揮者の方がいいなあと、そんなことを考えるオーケストラの日です。
今日は何の日
2016.03.25
2016.03.28
2016.03.29
2016.03.30
2016.03.31
2016.04.01
2016.04.04
2016.04.05
2016.04.06