80年代にNHK特集をきっかけに一大ブームを巻き起こしたシルクロード。3月28日は「さまよえる湖」説で有名なスヴェン・ヘディンが楼蘭遺跡を発見した日だそうです。
今日、3月28日は「シルクロードの日」です。
中央アジアの探検家として知られるスウェーデンの地理学者スヴェン・ヘディンが楼蘭の遺跡を発見した日とされています。1899年から1902年にかけて、タリム盆地および中部チベット湖沼地帯の北部を探検していたヘディンは、その途上、1900年3月28日に古代都市楼蘭の遺跡と「さまよえる湖」ロプ・ノールの湖床を発見しました。
シルクロードという言葉は、今の日本では広く中央アジア地方を指して使われていますが、もともとは西南アジア文化圏と中国文化圏を結ぶ東西交通路のことです。漢王朝が中国を支配していた時代に、中国と西方を結び、中央アジアを横断するオアシスロードのことをシルクロードと呼んだのが始まりでしたが、今では、これに「草原の道」と「海の道」を含めた東西交通路を指す、広義の使われ方が一般的なようです。
中国からは特産品である絹が、西からは玉や宝石、ガラス製品などがこの道を通って運ばれました。また、ブドウやザクロ、ゴマやキュウリなどの植物や、音楽や舞踊、奇術や曲芸など、中央アジア・西アジアの産物や風俗が中国にもたらされました。インドの仏教、イランのゾロアスター教やマニ教などの宗教もこの道を通って伝わり、中国からは、鋳鉄技術や養蚕、製紙法や画法が西方へと伝わっていきました。商業路としてだけでなく、東西文化の伝達路としての役割を担っていたのです。
シルクロードは、1980年代に放送されたNHKの特集番組によって一気に日本中に広まり、ブームを巻き起こしました。この番組に流れる喜太郎のシンセサイザー音楽によってエキゾチックなイメージが作り上げられ、西安や新疆、ウズベキスタン、イラン、トルコなどへの海外旅行情報やツアーの広告には必ずと言ってよいほどシルクロードという言葉が記されるようになりました。少女漫画雑誌「花とゆめ」で神坂智子がシルクロードシリーズというSF漫画を連載していたのも80年代のことです。
80年代には、シルクロードに象徴される中央アジア文化をこよなく愛し、あこがれる人がたくさんいました。今でもいらっしゃるのでしょうが、あの頃の「熱狂」には独特のものがあったような気がします。シルクロードの日と聞いて、当時話題だった「楼蘭の美女」というミイラのことを数十年ぶりに思い出しました。3800年の眠りから掘り起こされた彼女は、遠い島国の熱狂とは無関係に、今もひっそりと新疆ウイグル自治区博物館に展示されています。
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