14歳から大人まで 生きることの根っこをかんがえる『ふだんの哲学』シリーズ 〈第3章|価値〉第2話
〈じっと考えてみよう〉
各問の①、②、③の空欄に、選択肢a、b、cから適当なものを入れなさい。
〈Q1〉
□日本に住む私たちにとって、コップ1杯の水は「①___」です。
□砂漠を旅する人にとって、コップ1杯の水は「②___」です。
a)ふつうのもの
b)貴重なもの
〈Q2〉
□野球部がいま練習で使っている野球ボールは「①___」です。
□その野球ボールの一個に、有名なプロ野球選手がサインをしてくれました。
そのボールは「②___」です。
a)とんでもない宝もの
b)なんでもないもの
〈Q3〉
□彼女は大人になって、実は育ての親が実の親でないことを知った。
そして彼女は、実の親を探す旅に出た。
どうしても「①____」を知りたかったのだ。
□F氏が勇気をもって一人抗議したことは、賞賛に値する。
その行動には「②____」がある。
□人はいくつになっても、若さを欲する。
みずみずしい若さには「③____」があるからだ。
a)正しさ
b)美しさ
c)真実
〈Q4〉
ガソリンで走る自動車は、
長い距離を快適に移動でき、物を運べるという「① 」を与えてくれる。
その一方で、自動車からの排出ガスは地球環境や人体に「② 」を与えている。
a)害
b)便益
〈Q5〉
山のゴミ拾いボランティアの参加募集があった。
幸介(こうすけ)は、正直、半日かけてのゴミ拾いは「① 」ので、あまり気が進まない。
でも、町の人や登山の人がよろこんでくれる顔を想像すると、「② 」ので、参加することにした。
a)しんどい
b)気持ちがいい
*問題の答えは文末にあります
「価値」とはなんだろう?―――それは簡単に言えば、人がものごとに対して感じる「よい」性質のことだ。「よい」というのは、好ましい、優れている、役に立つ、得になる、ほんとうである、正しい、美しい、などである。わたしたちは、ものごとのなかにこういった「よい」性質を見出すとき、それには「価値がある」と言ったり、また、その度合いに応じて「価値が高い/低い」と言ったりする。
たとえば、コップ一杯の水はわたしたちののどの渇きを癒やしてくれるという「よい」性質がある。だから水には価値がある。ただ、〈Q1〉でみるように、同じコップ一杯の水でも日本の住人と砂漠の旅人とでは価値の度合いが違う。日本では水の価値は低いが、砂漠では価値が高い。その理由は、コップ一杯の水の役に立つ度合いが、砂漠のほうが高いからだ。加えて、砂漠では水が少ないことも水の価値を押し上げている。
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キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。