ジョークについて考えてみたいと思います。 普段、なにげなく口にするジョークは、ビジネスにどんな効果を生むのでしょうか?
ユダヤ関係の本にも、多くのジョークが出ています。
ユダヤ人は、ご存知のように長い歴史を通じて迫害され苦難の道のりを歩んできました。
その苦難の過程で、優れたユーモアが生み出され、それによって極度の緊張感から解放され、自らを逆境から守ることができました。
彼らにとってジョークは、自らを守る最強の精神的な武器だったのです。
「ユダヤの力」加瀬英明氏著(三笠書房)にこんなジョークが出ています。
ユダヤ教の宗教指導者のことをラビといいますが、その宗教指導者でさえ、ジョークのネタになっているのです。
神の教えから一度たりとも外れることなく天寿をまっとうしたある高潔で高名なラビが天国に着くと、顔見知りであった運転手ヤコブに会いました。
ヤコブは生前大酒飲みで女性関係にだらしがなく、いつも博打にふけっていました。
それなのに、彼は、広大な宮殿で多くの天使にかしずかれて実に優雅な暮らしをしているのに対して、ラビには小さくて粗末な家しか与えられていませんでした。
不満に思ったラビは天使に
「何かの間違いではないのか?」
と問い正したところ、天使は、ラビに対して神の言葉を伝えました。
「あなたが説教しているあいだ、人々はいつも眠っていましたが、ヤコブが運転している間は、誰もが神に熱心に祈りました」
こうしたジョークを知ると、何かとっつきにくい印象のあるユダヤ教も、急に親しみを持てる存在になったような気がします。
筆者が実際に体験したジョークでこれはなかなかのものだと思ったのは、以前筆者が商社に勤務していたころ、出張でロンドンから中東のイエメン共和国に向けて乗ったイエメニア航空(イエメンのナショナルフラッグ)の中の機上で体験したものです。
イエメンという国は中東アラビア半島にある古い国で、他のアラビア半島諸国と比べて近代化が大きく遅れており、首都のサヌアの街中でさえ、一般的な成人男性は、腰帯にジャンビーアと呼ばれる半月形をした短剣を差しているのです。
要は、帯刀した武士が闊歩している戦国時代にタイムスリップしたかのような国がイエメンです。
そのイエメンの首都サヌア空港にいよいよ着陸する段になって、乗客の誰もが緊張して黙っている中、機長が機内アナウンスを始めました。
「当機は、これからサヌア空港に着陸致します。皆様の国とこの国の時差を申し上げます。 この国の時差は約1千年となりますので、ご自分の時計を1千年程巻きもどして頂きますようよろしくお願い申し上げます」
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