長野県北アルプスは白馬山麓にある何気ないホテルのサービスをご紹介します。 繁盛している隠れた理由がそこにはありました。
信州は北アルプス、白馬山麓にある「ホテル白馬」に夏の終わりのある日夫婦で2泊してきました。
JR大糸線 白馬駅から車ですぐの田園地帯にポツンと建っている、コンクリート建ての一見何の変哲もない小奇麗なホテルです。
八方尾根や白馬のトレッキングを目的としていましたので、朝夕食ともバイキングということもあり、価格もそこそこだし、小奇麗そうだし、それ以上ホテル自体には全く何も期待することなく、まー温泉に入って泊まれればいいや、程度の感覚で予約しました。
ところが、滞在するにつれて、段々我々の評価が変わって行きました。
大げさなサービスはないものの、ちょっとしたところに客をうならせるサービスを提供しているのです。
例えば、朝夕のバイキング。
普通バイキングといえば、メニューの種類は豊富でも、毎日同じメニューしか出ないと思ってしまいますよね。
ここは違いました。
朝夕、毎日メニューの種類が替わるのです。 それも、よく観察するとその日の客層によって毎日替えているのです。
我々は、金曜日と土曜日に宿泊したのですが、金曜日は、高齢者の方々の団体さんが大勢いましたので、メニューが日本食中心の高齢者好みの料理が多く出ていました。
地元の山菜を使った料理とかお漬物とか。
逆に土曜日は、若い子供連れの家族連れが多く、あきらかに洋食中心で、カレーやハンバーグ、ピザなど子供が喜びそうなメニューに変わっていました。
また、料理一品一品の前に、地元のどういう生産者の食材で作ったのか、どのようなところに味へのこだわりがあるのかなど、詳しい説明メモが手書きで書かれておいてありますので、楽しみながら選択することができました。
それと、お風呂はそれ程大きくない露天風呂でしたが、意外にも目の前に小さな小川が流れており、せせらぎを楽しむことができ、湯船からは北アルプスの碧い山並みを眺望することができ、それはそれで結構なことでしたが、驚いたのは、シャンプーとリンスに資生堂の椿を使っている事でした。
普通は、ゴルフ場などでよく見かけるリンスインシャンプーというリンスとシャンプーが一緒になった、一本の容器が無造作に置いてあることが多いのですが、ここでは、あの深紅に輝く椿のセットがずらりとならんでいました。
また、各階に飲み物の自動販売機が設置されているのですが、この飲み物の販売価格がとても安く設定されており、市販価格と大差ないのです。
一方、一階にある土産物屋が大層繁盛していたので、覗いてみると、なるほどと原因が分かりました。
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