一度決めた事務所や店舗の家賃は下げられないとお考えの方も多いかもしれませんが、そんな事はありません。弊社も、つい最近、2ヶ月だけですが、家賃の大幅引き下げに成功しました!しかも、それは、貸主からの一方的な申し出です!! 今回は、その裏にある賃料引き下げに必要なテクニックについて、明らかにします!
加えて、オフィスや店舗は、企業の支出の中でも、かなり特殊な部類に入ります。契約前は、ある程度、選択の余地がありますが、一度入ってしまうと、引越しや現状回復、引越しに関わる印刷物などの刷り直しなど、スィッチングコストが大きく、短期間でこれらの費用を回収できるくらい賃料が安いといったメリットがないと、なかなか切替ができません。店舗の場合、これに、今まで培ったお客様のトラフィックを一気に失い、一から作り直すリスクが加わるため、なかなか、見直しという訳にはいきません。貸主もその辺りの事情は見越していますので、賃料引き下げ交渉にはなかなか乗ってくれません。皆さんが一度決めた事務所や店舗の家賃は下げられないと考えるのは、あながち間違っていないのです。
「家賃削減代行の会社はどうなんだ?彼らは交渉で価格を下げると言っているぞ」
と思われたかもしれません。確かに賃料交渉、家賃削減代行会社の中には、交渉だけというものもあるかもしれませんが、弊社が付き合っている会社は、各社とも、類似物件の賃料のDBを持ち、それをベースに担当物件の適正賃料を算出し、それを基に交渉します。ですので、彼らは、基本的には、適正な価格までの家賃引き下げには対応しますが、それ以上の引き下げについては大抵は引き受けません。それ以上は交渉で下がらない事、ムダな作業になる事が分かっているからです。
交渉術や交渉学は、目的を達成するためにどうメッセージを伝えるか、どう相手のメッセージに反応するかというコミュニケーション論が中心です。そう考えると、賃料交渉、家賃削減代行会社のノウハウ、価値の源泉は、交渉というよりも、適正賃料の算出にあります。彼らのやっている事は、交渉ではなく、調達で言うところの市場ベンチマークの収集やコストモデリングにあたります。地域別、物件タイプ別にどれだけ細かいメッシュで、どれだけ多くの賃料情報を低コストでリアルタイムに集められるかが、これらの会社による交渉の成果を左右します。
こうして見ていきますと、賃料交渉は、やはり、手狭になってなどの理由で、現在の所から退去しても良いという時に行うのが、最も効果的です。ただ、賃料相場は上下しており、現在も下げ基調です。また、当初の契約が適正賃料で行われている保証はありません。ですので、これまでに、適正賃料を基にした交渉を行われていないのであれば、契約継続を前提としても、かなりの成果が出る場合があります。相手の貸主が、貴社が転居の覚悟があるのか、貴社が転居後、次の入居者がどれ位の早さで決まるか、その時の賃料がどれ位になっているかといった点についてどう考えているかが鍵になります。いずれにしても、家賃引き下げを打診するだけならば、貴社のリスクは低いので、悪くない話です。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます