民主党政権の浮揚に大いに貢献したとされる事業仕分け。蓮舫議員への反発や、ノーベル賞学者からの反発、一方で賛辞と入り混じった仕分け作業。コミュニケーションの観点で見てみましょう。
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一方で「必殺仕分けされ人」である役人はいかがでしょう。
はっきり言って蓮舫議員以下のコミュニケーション能力であることが明らかになりました。しかしこれは公務員という、競争原理の働かない環境で出世してきたキャリア官僚の方にはやや酷な問題かも知れません。
ディベートはロジックの噛み合いがあって始めて先に進めることが出来ます。
「スプリング8開発が収支勘定に合わない」と指摘され、「収支なんて最初から目指せないし、そんなもの目指すなら教育開発は全部中止にしろということだ」となぜ指摘出来ないのでしょう。
技術開発はノーベル学者の先生方のおっしゃるように、採算など取れるものではないのです。取れるなら民間がとっくにやってます。その根本ロジックをいくら言葉をちりばめても防衛は出来ません。そんな初歩的な指摘しか出来ない仕分け人の言いなりになる「仕分けされ人」、やはりコミュニケーション能力はポストに一致していないことを露呈したと言えるのではないでしょうか。
交付金を小泉改革で減縮され続けている国立大学。私も国立大学教官ですので他人ごとじゃありません!
もっと効率化出来る、縮減余地がある、と一方的な指摘でなぜおめおめ帰ってくるのでしょう。「んだったら私立大学みたいに構内にホテル建てたり付属学校ガバガバ作ったり、金儲けガンガンやっていいんですよね!」と言って欲しかったですね。
(私の雇用をよろピク)
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事業予算には官僚の天下り等によって、人件費が膨らんでいます。削減しなければならないのはここです。
日本の防衛費が高いのは、その半分近くを占めるといわれる人件費が当然のごとく高いからです。装備調達費という純軍事の経費の倍以上だそうです。
スプリング8の可否やスパコン事業を否定する仕分け人は、そうではなく、その事業にどれだけ天下りが混ざってるか、その人たちの年収はどうか、そういった視点、指摘をして欲しかったなと思います。
そうすることで、もう一つの批判「基準があいまい」にも対抗出来ました。仕分け人の「感覚」で良い・悪いを判断する場では、そもそも無かったはず。天下り率とか、人件費の洗い出し(特に無用な幹部連中の分)をすればもっと拍手をされたと思います。
コミュニケーションのロジックが決して上手いとは言えない仕分け人。はっきり言って下手な仕分けされ人。課題はあります。
ん、でも私の仕事が無くなるのは困りますが、やっぱりやって良かったと思いますよ。自民党政権で全部フタで覆い隠されてるより。
ぜひ今後もこうした情報開示は続けていただきたいと思います。
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株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。