人前で話さなければならない時、あなたならどうしますか?逃れられない役割なのであれば、少しでも上手くコミュニケーションが取れる方法を考えましょう。
「人前でしゃべるのが苦手」とおっしゃる方の方が、「そうではない」とおっしゃる方より多分圧倒的に多いのではないでしょうか。
ところで先日、さえない不細工なおばさんが、素人のど自慢で披露した「天使の歌声」が世界中を魅了、というニュースがありました。とてもよく出来たドラマみたいな映像でしたね。歌が上手い、声が美しい、という絶対領域のエクセレンスが、やはりそのさえない見た目とのギャップによって、何倍にもインパクトが増強されたことで、多くの感動を呼んだのではないでしょうか。
タッグチーム、タッグマッチの原則は「1+1>2」です。コミュニケーションにおける、情報デリバリーは、その環境設定によって、やはり同じ内容でも、伝え方によって「1+1>2」が成り立つと言えるでしょう。
冒頭に戻ります。
「私、このように皆さんの前でお話しするのが一番苦手でして」というマクラで話し出すのは、言ってみれば最初からハンデを背負ってのスタートのようなものです。オーディエンス(聞く側)から見れば、「あーつまんなそうな話きかされるんだな」という覚悟を促進します。ただでさえ自信が無いのに、ますますオーディエンスをアウェーにさせるような前フリは、全く意味の無い行為と言えるでしょう。
唯一あるとすれば「自己弁護」です。下手で当然、という自分を慰める言い訳には成るのかも知れませんが。
少なくともコミュニケーション能力を磨こうと思うなら、そのようなことは止めましょう。別に「私はしゃべりが上手いです」と宣言する必要はありませんが、スーザン・ボイルさんを見習って、堂々と果たすべき役割を演じて下さい。
テレビでは、実はこうしたアピールのお手本になる人がいます。ケンドー・コバヤシさんです。ケンドー・カシンやケンドー・ナガサキを知らない人でも(当然か?)ケンコバを知らない人はそういないでしょう。
彼は何をやるにしても言うにしても、実に堂々としています。
越中詩郎を語る時、越中が誰か等全く眼中になく、しかし奇異なことを言うのではなく、越中の魅力を堂々と語ります。単にマイナーな知識をひけらかすのではなく、そこには越中選手への畏敬が感じられ、それが堂々とした態度によって、ケンコバという人物の説得力につながっているのではないでしょうか。
女性からの「好きなお笑い芸人」では、いけめんのチュートリアル徳井さん等に交じっても堂々の上位にランクされるケンコバさん。説得力があるのでしょうね。
かく言う私も、パーティや合コン(まだ行ってるの?40過ぎてんのに?)等、面識のない方と交流するのが大の苦手です。人前で話すのは、それが商売なので、得意!とは申しませんが、確かに苦手ではありません。しかし常に講演や講義のコンテンツは、しっかり原稿を用意しますし、決してそれは丸暗記はしない(出来ない)ものの、ストーリーは頭に入れています。
出来る準備を着実に行い、その上で「堂々と」語る。こうした情報デリバリーは、コミュニケーション、プレゼンテーションにおいてはたいへん重要です。ぜひお試し下さい。
コミュニケーション大学院講座
2010.11.27
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2008.10.22
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。