民主党政権の浮揚に大いに貢献したとされる事業仕分け。蓮舫議員への反発や、ノーベル賞学者からの反発、一方で賛辞と入り混じった仕分け作業。コミュニケーションの観点で見てみましょう。
書くのも恥ずかしい「必殺仕分け人」というネーミングのとほほ感はともかく、この事業が民主党にとって少なくともプラスであったことは、世論の8割が支持しているということからも言えるでしょう。
一方、ワイドショー等で繰り返し流された蓮舫議員の高圧的な態度への批判は、例の女性教育会館・神田理事長とのやりとりの、ノーカット/無修正版の蓮舫(何か違うものを指してるような・・・)を見ると、ちょっとイメージ変わります。
神田理事長に高圧的な質問を浴びせ、それに反発を食らった蓮舫議員は「申し訳ない」と謝ります。そこに支援をしたのは枝野統括だったのでした。
しかもその後、蓮舫議員は仕分け作業を休んだり、けっこうダメージあったのでは?と想像させる点もあります。
私はスーパージョッキーで、それまでイマイチ売れないグラビアアイドルだったレンホーがたけしに突っ込まれ放題突っ込まれることで、一躍全国区になった過程を見てきました。元から生意気レンホーと呼ばれ、無礼な口を利くのがレンホーだったのです。
そのままでは単なる嫌われ者キャラだったのが、たけしという稀代の突っ込みマシーンと巡り会うことで、見事にその毒を消すことが出来たのです。
レンホー初登場の時のたけしの一言目は「ロン!」(麻雀の人和/レンホー)という、もはや人扱いしていないっぷりで、レンホーがいくら生意気を言ってもカラ回りという空間を作り出しました。
スーパージョッキーでのレンホーは、たけし(&たけし軍団)という庇護の下、生き生きと、毒舌・生意気の羽を伸ばし、なおかつ視聴者の支持を得ることが出来ました。
しかしたけしと離れてから、もうレンホーを庇う人はいません。単なる生意気なタレント、嫌われタレントという役回りになり、そこから脱却するにはキャスター等のシリアスに行くしか道はありませんでした。(本人は逆にシリアスに行きたいのでバラエティを出たのでしょうが)
今回の事業仕分けでレンホーが得たものは、「鋭い突っ込み」「威圧感」のイメージでしょう。代わりに失ったものは「人柄」「信頼」あと「知性」ではないでしょうか。
しかもスパコン開発を「世界1位でなくて2位じゃダメか?」と聞いて、ノーベル賞学者の先生方から「不見識」と怒られる始末。自衛隊とディズニーランドを比較する等、良く見ると「鋭くない」ツッコミが随所に見られました。
時間がないからたたみ掛け質問をする蓮舫議員は、決してコミュニケーション能力が高いとは言えません。コミュニケーションは「正か誤か」ではなく、「納得」を目指すものだからです。
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株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。