人が動いてくれる時

2009.08.31

経営・マネジメント

人が動いてくれる時

三宅 信一郎
株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

組織において、人が動いてくれる時とは?  人は、動かそうと思っても、そうは動いてくれません。  人に動いてもらいたいと思うなら、人が、是非動きたいと 思ってもらえるような仕組みが必ず必要です。 そうでないと、たとえ人が動いてくれたとしても結果を残せません。

◆委員会からは、参加者のために仕切りの付いたテント(屋台)を用
意することと、特に面白い出し物については予算援助をするというこ
ととし、出来るだけ表に出ることは控えるように徹底した。

◆例年、委員会が強制的に売上の○○%を徴収していたという制度も
廃止にし、ボランティアで寄付したいと思う方のみ寄付をお願いする
とした。

◆この一連の新しい案に対し、大反対を唱える方も多くいた。 つまり、
今までこんな辛いイベントをボランティア参加に切り替えたら、参加
者が激減し、伝統あるフェイトが最悪中止せざるをえなくなる。 そ
うなったら、楽しみにしてくれている現地人や寄付金を期待している
施設関係者、日本大使館にも言い訳が立たないということである。

◆とにかく、嫌々やることはない。 最悪誰もやりたくなければやる
必要など全くないと強く信じた筆者は、反対意見を押し切り、自分で
決めた方針でやることを決断した。

◆ただ、自由な発想でといっても、戸惑う方がいると思い、フェイト
のコンセプトを以下の3つに決定し、アナウンスをした。

1.コンセプトは日本の夏祭り
2.ボランティア精神にのっとった自由な発想によるイベントの開催
3.全員が一堂に会して楽しめる一つの大きなアトラクションの実施

◆コンセプトに迷ったらとにかく、日本で楽しかったあの夏祭りの屋
台や神社境内の人ごみの賑わいを思い出してもらって、当時のワクワ
ク感を、ここ南アフリカで再現してもらいたいと主張した。

◆上記コンセプトの3に関して、大きなアトラクションは委員会主導
で行うべき仕事と考え、夏祭りの象徴でもある盆踊りをやることに決
めて、日本人学校の運動場のど真ん中に、紅白の垂れ幕で飾った盆踊
りのやぐらを、アフリカで初めて建設した。 

◆アフリカの業者に盆踊りのやぐらを説明しても理解してもらえず、
仕方なく、プロレスのリングを作って欲しいといって作ってもらい、
委員会のメンバーで修正を加えることとなった。

◆特に日本人会員に訴えたことは、自主的な参加で日本人自身がまず、
楽しんでもらい、会員同士の交流・親睦を図ることが第一。その上で、
南アフリカの人々に日本の夏祭りの楽しさを伝えることによって日本
に興味を持ってもらい、お世話になっている南アフリカ地域社会との
親睦・交流に繋がり、さらにはそこから得た収益の一部を恵まれない
子供たちの施設への寄付に発展できればいいということであった。

◆今までと正反対のアナウンスをしてしまってからは、約20名ほど
の委員会メンバーと、出展者が本当に出てくるであろうかとビクビク
しながら応募を待った時が懐かしい。

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三宅 信一郎

株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

事業力強化・新規事業開発・創業支援コンサルタント 自動認識基本技術者 (JAISA:(社)日本自動認識システム協会)認定

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