~ サービスサイエンス的思考法でビジネスモデルを探る ~ 国内外の先進的小売企業は、宝の山である販売フロアーに転がっている「顧客が語らない顧客の真の声」を、RFIDやITなどの仕掛けを駆使して拾い上げて成功しています。 さてその秘密と仕掛けとは?
◆またある商品は、売れ筋にもかかわらず売れなかったとしよう。
その場合、商品自体は配送センターからバックヤードに入庫してい
るが、バックヤードから素早く販売フロアーに移動されていなかっ
たという履歴がわかると、以下に迅速に販売フロアーに陳列するこ
とができるかが課題として認識される。
◆また、どの陳列棚が一番多くお客様が商品にさわるかなどのデー
タも得ることができ、陳列棚を置く位置も検討することもできる。
◆日本でも同様の取り組みが、アパレル産業協会の取り組みとして、
平成20年度 経済産業省支援事業「IT投資効率性向上のための共
通基盤開発ププロジェクト」にて実行された。 実施店舗は若者に
人気のFLANDREであった。
◆このように先進的な小売企業は、もの言わぬお客様の声を、新た
な仕掛けを駆使して、見える化することによって、より詳細なデー
タを基に販売戦略を練ることで競争優位性を保ち続けているのであ
る。
参考文献:
「顧客はサービスを買っている」諏訪良武氏著(ダイヤモンド社刊)
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■ 本日の学び
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サービスは、見えない。 サービスには、カタチがない。 だが、
工夫すれば見ることが出来るのである。 現場で何が起こっている
のか、人間が見ているだけでは、あるいは手作業で集めた情報から
だけでは、今までなかなか本質を掴むことが出来なかった。 今日
では、RFIDやITなどのコンピューター技術を駆使することによって、
現場担当者の経験や勘だけでなく、科学的に顧客動向を分析できて、
迅速かつ的確な対策を講じて、サービス品質を向上させることが出
来る時代が到来しつつある。 われわれ消費者も大いにそのメリ
ットを享受したいものである。
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■ 編集後記
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昨年の冬、単身ドイツに行きました。 ドイツメトログループのエ
ッセンの百貨店のRFIDを活用した実際の店舗運営の仕組みの見学と
その効果を担当者にインタビューするためです。 今までは、所属
企業からの命令でいろんな国に海外出張しましたが、今回は、独立
後初めての出張ということもあり、なんとなく心細く、寂しい気持
ちで成田を飛びたちました。 2月のドイツは凍りつくような寒さ
でしたが、RFIDを最大限活用した、カウホフの店舗に一歩足を踏み
入れた途端に、それまでの寒さや寂しさ、不安はすべて吹き飛んで
しまったことを思い出します。 もちろん実際店内は物理的に暖か
いということはありますが、今まで見たことのない全く新しい革新
的な店舗運営が実際目の前で行われており、興奮して居ても立って
もいられなくなり、担当者とのインタビューではとても熱くなりま
した。 サービス業というのは日々着実に進歩しているなと実感し
た貴重な旅行でした。
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