会話の主導権を握れて、ヒアリングで相手のニーズをしっかりつかめるようになったら、いよいよ提案なのですが、ニーズをそのまま裏返せばいいわけではありません。今日はそのあたりのお話しです。
質問技法によって、会話をコントロールできるようになると、相手の言いたいことがわかるようになります。
そして、その言いたいことが生じるようになった背景も聞き出すことができるようになってきます。
そのつながりについても、気づかせるような質問を投げかけられるようになれば、ヒアリングスキルは相当高まったと言えるでしょうね。
ただ、こういうことと、こういうことをしたいということなんでしょうね、ということがわかってから、どういう提案をすればいいのでしょうか?
お客様の要望に全て答えたら提案は通る筈ですが、ある要望とその他の要望にはトレードオフの関係が成立します。
その要望とはなんでしょうか?
そう、それは予算です。
費用は安く、すごくたくさんの要望を満たして欲しいという都合のよい解はなかなかないですね。
すると、要望がたくさんあったとしても、予算制約の中で相手の要望をできるだけ満たしてあげないといけないことになる。
だから、ヒアリングで、要望を聞き出したら、その優先順位について、相手に考えさせるような質問を投げかけておかないといけないのです。
これ、必須ですよ。
なぜかというと、ヒアリング技法でしっかりヒアリングをして、解決に向けて前向きになっている人も、お金を聞くとしり込みする場合が多いのですが、お金があるか、ないか、0か1か?にしてしまってはいけません。
グラデーションを作ってあげないといけないんですね。
そして、要望が出尽くしたら、その段階で、お金によって、やれることが違ってくる、それはお金の多さに応じてグラデーションを作るんだという認識を与えないといけません。
これを忘れると、高いからやっぱりやめます、という反応を無用に生み出します。
素晴らしいことが出来る気がしたけど、お金がない、という論理的に間違った結果を生み出しますね。
お金は全く無いわけではないのです。
お金はないわけではない。あるけど、全ての要望を満たす提案には足りないというだけです。
そして、必ずしも、一気に全ての要望を満たすことが現実解ではない、という認識を持ってもらうのと、そうでないのでは、反応が違うのです。
当たり前だと思います?
意外と、0か1か?の提案をしているつもりがないのに、その提案を受けたような反応を顧客にさせがちです。
いいですか?ここは大事です。
0か1か?を迫る提案をしているわけではないのに、顧客がそういう反応をする。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。