責任を負わない顧客について考えてみたい。
「非責任」とはどういうことか?責任がないということである。「無責任」とう言葉の響きは適切でないので「非責任」とした。顧客には責任がない。
顧客は絶対である。既存の顧客はもちろん、潜在顧客の意見、希望、感想には基本的に従うべきである。「もっと高級な製品が欲しい」という希望が寄せられれば、高級な製品を作って売るべきである。「簡単で使いやすい製品が欲しい」と言われれば希望に応えるべきである。高品質を求める顧客には高級な製品と充実したサービスをもって応対するべきだし、手頃な製品・サービスを望む顧客にはコストを管理して低価格のものを提供すべきである。
一つの企業に対してこのような相反する希望が寄せられることは多いだろう。顧客の希望があれば、基本的には応えるべきである。
しかし、小規模な企業などでは顧客の希望に全て応えきれないことが多くなる。特に、短期的に様々な希望に応えることは物理的、技術的、財務的に困難である。
企業は顧客から無理難題を求められないようにしなければならない。自社の方針や戦略を有言、あるいは、無言で顧客や潜在顧客に伝えなければならない。それでも自社の方針や戦略と顧客のニーズや認識が合致しなければビジネスにはならない。一方で、企業は顧客や潜在顧客から率直な意見や自由な感想を集めて自社の経営改善のために活用しなければならない。
顧客や潜在顧客が発信する情報と自社が発信する情報の間にリズム、規則性、調和を見出し、付加価値を生み出さなければならない。
それは環境変化の中にあって全ての責任を負う自己との対話である。一つの事業やプロジェクトの生命を賭けた優先順位付け、関連付け、仮説の設定と検証の繰り返しが必要である。
【V.スピリット No.84より】
V.スピリット総集編5
2008.08.01
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