信頼とは何かについて考えてみたい。
信頼とは、「信じて頼ること」と辞書に書いてある。ビジネスや経営において「信頼」は欠かせない要素である。
信頼という言葉は、良いもの、好ましいものを表すが、それは、悪いもの、好ましくないものの対極として表現されることが多い。例えば、借りたお金を返済しないで浪費してしまうような状況での返済、あるいは、破ることもできる約束の厳守などに関して信頼という言葉が使われる。
信頼という言葉が使われる時、その対極にあるリスクが意識される。信頼とは、そのようなリスクを克服する、能力、姿勢、態度についての評価である。
頼ることの出来ない能力、人格、経営、あるいは、存在などに対して信頼という言葉は使われない。あえて、そのようなものを評価するとすれば「信頼できない」ということになる。
信頼を生むのは、重力に逆らって無から有を創造する力、あるいは、負への好ましくない誘惑と決別して正しい結果を導くエネルギーである。信頼とは、そのような力やエネルギーの実績によって生まれる。そして、あたかも実績の延長、あるいは、慣性であるかのように、信頼は将来の予測や期待に結びつく。
信頼を得るにはどうしたら良いか?
信頼を得るためには、実績に基づいて他者の適切な評価を受けなければならない。権威者(オピニオン・リーダーなど)による評価は信頼を高める効果がある。また、「口こみ」のような身近な評価が信頼を支える。
信頼の構成要素を説明することは難しい。信頼を構成する要素は有機的に結びついていて、完全に分割して抽出することが出来ないようである。個々の要素が強い相関関係を持ち、また、卵と鶏のように無限のスパイラルのような因果関係を持つ。
それらをあえて論理的に表現しようとする時に示されるのは、表現者の考え方や価値観であり、方法論やノウハウ、あるいは、優先順位でしかない。
【V.スピリット No.92より】
V.スピリット総集編5
2008.08.04
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2008.07.30
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